
「今日のディフェンスは本当に素晴らしかった」
キャバリアーズとラプターズのファーストラウンドは、キャブズ優勢との見方が大半だった。それはレギュラーシーズンの成績以上に、ドノバン・ミッチェルとジェームズ・ハーデンというタレントの存在が大きい。お互いを知り尽くす中でディフェンスが優位性を増すプレーオフ、特にクラッチタイムとなれば、どんな対策も乗り越えて得点を奪う個人能力がモノを言う。ミッチェルとハーデンは、長きにわたりこの勝負どころで結果を残してきた。
第4クォーター残り5分、ミッチェルがこのクォーターだけで12得点目となるフリースローを決めた時点で、キャブズは84-76とリードしていた。ところが、そこからの5分でミッチェルは5本のシュートをすべて外して無得点。ハーデンも2アシストを記録したものの得点なし。ハーデンはブランドン・イングラムにフリースロー3本を与える軽率なファウルを献上し、ミッチェルは残り40秒でジャマール・シードにボールを奪われ、8秒バイオレーションを喫し、続くポゼッションでチームは逆転を許した。
最終スコアの93-89が示す通り、両チームとも得点の伸びないロースコアゲーム。ラプターズはディフェンス、リバウンド、ルーズボールと、文字通り泥臭いプレーで逆転勝利をつかみ取った。
そのラプターズの戦いぶりを象徴したのが、ルーキーのコリン・マレー・ボイルズだ。ベンチから27分の出場で15得点10リバウンドを記録。特に第4クォーターで好調のミッチェルを1対1で抑え込み、オフェンスリバウンドでも奮闘した。
「シュートが入らない時こそ泥臭いプレーで身体を張るんだ、と全員で励まし合った。ミッチェルのようなリーグ最高の選手とマッチアップできたこと自体が、僕にとっては大きな喜びだ。できる限り相手を苦しめようとしたし、ホームの熱狂的な雰囲気が助けになった」とボイルズは言う。
RJ BARRETT WITH THE BUCKET.
RAPTORS FORCE THE TURNOVER.THIS SEQUENCE BY TORONTO 👀
THEY LEAD BY 3 WITH 6.3 SECONDS LEFT ON ESPN. pic.twitter.com/72bJIrmEia
— NBA (@NBA) April 26, 2026
ラプターズのフィールドゴール成功率は試合を通してわずか32%。3ポイントシュートに至っては30本中4本(13%)しか決まらなかった。ヘッドコーチのダーコ・ラジャコビッチは「選手たちを『後半になればシュートが入るようになる。そこまで泥臭く頑張るんだ』と鼓舞したんだが、結局最後までシュートは入らなかった」と笑えない冗談を言った。
「しかし、どんな形であれ勝利は勝利だ。前回は126得点を奪ったが、今回はシュートが入らない中で、チームとしてのガッツと団結力で守り続けた。ミッチェルもハーデンも殿堂入りする選手だ。彼らを抑えるには統率の取れたチームディフェンスと選手一人ひとりの並外れた努力の両方が必要だった。今日のディフェンスは本当に素晴らしかった」
シュートが入らない我慢の展開だったからこそ、勝利の喜びは大きい。ブランドン・イングラムはスコッティ・バーンズとともにチームハイの23得点を挙げたが、フィールドゴール23本中成功6本とシュートタッチは不調だった。それでも彼は、第3戦でもそうだったように、シュートが決まらなくても攻め続ける積極性を持つと同時に、自分がディフェンスを引き付けてスペースを生み出すバスケIQも発揮し、チームオフェンスを動かした。
「良い形は作れていたから打ち続けたし、決まらない間は守備で止めることだけを考えていた。自信を失わない、という挑戦だった」とイングラムは言う。自分だけでなくチーム全体として、シュートが決まらない試合でアグレッシブに戦い続けたことは大きな自信に繋がる。
それでもイングラムには一つだけ後悔があった。いつもよりティップオフ時間が早かったこの試合に備えて、試合の前夜は早く寝る必要があった。「眠れるか?」との質問に「ベッドに入ると彼女が小言を言うおかげで、すぐに眠れるさ」とイングラムは答えていた。
結果は推して知るべし。「めちゃくちゃ怒られたよ。そのおかげでいつも以上に頑張れたのかもしれない。どうしてあんなことを言ったんだろう?(笑)」