
「どんな浮き沈みがあっても団結は変わらなかった」
現地4月12日をもって、NBAはレギュラーシーズンの全日程を終えた。プレーオフやプレーイン・トーナメントのシード争いはほぼ決着済みの最終日、全15試合のほとんどが淡々と消化された。ニコラ・ヨキッチは個人賞の資格を得るために必要な18分間だけプレーし、ナゲッツはビクター・ウェンバニャマを休養させたスパーズに勝って西カンファレンスの3位を確定させた。ニックスのミケル・ブリッジズは連続出場記録を続けるために23秒だけコートに立った。
そんな予定調和を唯一打ち壊したのがセルティックスだった。すでに東カンファレンスの2位が確定しており、ジェイレン・ブラウンやジェイソン・テイタムなど主力がごっそり休養。一方でマジックはプレーインのトップシードとなる7位を確保するために勝利を必要としており、TDガーデンのコートにベストメンバーを送り込んだ。
前半を終えて61-52とリードしていたマジックだが、第3クォーターに崩れる。この12分間で3ポイントシュートを8本放って1本しか決められず、5つのターンオーバーから走られた。スピードを増したセルティックスの3ポイントシュートが16本中9本成功と当たり、42-20のビッグクォーターとなったことで、試合の流れは一気に変わった。
マジックはベストメンバーを起用しつつも、全82試合出場となったデズモンド・ベインを第1クォーターに6分プレーさせただけでベンチに置いていた。そのベインを第4クォーターになってあわてて戻したのだが、若いセルティックスの勢いは止まらない。マジックは残り36秒で追い付くも、直後にルカ・ガルザに3ポイントシュートを決められ、108-113で敗れた。
セルティックスは2年目のバイラー・シェルマンがゲームハイの30得点を記録。ジャーニーマンとして5年で3チームを渡り歩いたガルザ、4年で3チームを渡り歩いたロン・ハーパーJr.がそれぞれ27得点を挙げた。3年目にしてセカンドユニットを引っ張ったジョーダン・ウォルシュは別にしても、2巡目57位指名のルーキーであるマックス・シュルガはこれが初先発。ベンチから出場したジョン・トンジェとアマリ・ウィリアムズも、シーズンの半分をGリーグで過ごしてきた2巡目下位指名のルーキーだ。
セルティックスを率いるジョー・マズーラは「このシーズンを通して、1番目の選手から15番目の選手まで、コートに立てば勝利のチャンスをつかみ取ろうとしてきた。勝利のプロセスに忠実であること。それはこれまでの81試合も今日も何ら変わることはない」と平然と語った。
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— Boston Celtics (@celtics) April 12, 2026
シェルマンは昨シーズンはほとんど出場機会がなかったが、今シーズンはローテーションにがっちりと食い込んだ。それでも昨シーズンは3.6得点、今シーズンは5.2得点の彼が突然30得点を挙げるのは驚きでしかない。
そのシェルマンは「最高に楽しい試合だった!」と試合後も大興奮していた。「勝つつもりで試合に臨んだし、実際に勝ててうれしい。今日のラインナップを見て人々がどう感じたかは分からないけど、僕らはこのメンバーでやるからこそ、良いプレーが一つ出るたびに盛り上がり、それが次の良いプレーに繋がった。そうやって戦えるのが本当に楽しかったんだ」
テイタムがアキレス腱断裂で復帰の目処が立たない状況で、オフには高年俸のベテランたちを放出して迎えた今シーズンは、『狭間の1年』になってもおかしくなかった。それでもマズーラは決してそうしなかったし、その指揮官の方針に選手たちもついていった。
シェルマンはこう続ける。「シーズンを通して、僕らはケガ人を言い訳にせず、誰かが抜けても別の誰かがステップアップして戦ってきた。開幕前に何が起きようと、また開幕3連敗を喫しても、長いシーズンを戦う中でどんな浮き沈みがあっても団結は変わらなかった。そのことが僕らの自信に繋がっている」
「今日のアリーナの雰囲気が最高だったのもうれしかった。昨日の時点で主力が出ないのは分かっていたから、来るのをやめるという選択肢もあったはずなのに、ガーデンは満員だった。『絶対に勝ってほしい』という雰囲気を作って、チャンスをあまり得られなかった僕たちを後押ししてくれたファンのおかげだ。これで最高の雰囲気でプレーインに臨めるよ」
一方のマジックは最低の雰囲気でプレーイン・トーナメントを迎えることになった。この試合に負けたことで7位から陥落し、初戦をホームで戦う権利を失った。敵地でセブンティシクサーズに勝って第7シードを勝ち取ったとしても、その時はプレーオフのファーストラウンドでベストメンバーのセルティックスとTDガーデンで戦わなければならない。この試合に敗れたショックは、そこで大きなトラウマになりかねない。
マジックのエース、パオロ・バンケロは「失望している」とショックを隠せなかった。「でも、すぐにシクサーズとの試合に向けた準備をしなければいけない。乗り越えるんだ」