新オーナーが見守る試合で最高のパフォーマンスを披露
現地3月31日、クリッパーズとトレイルブレイザーズが対戦した。クリッパーズは5連勝中、ブレイザーズも6勝2敗とプレーオフ進出に向けて好調だったが、対戦相手の多くが格下で、西カンファレンス8位を争う直接対決は両チームの真価が問われる一戦となった。
その大一番でブレイザーズがクリッパーズを圧倒した。第2クォーターを28-15として抜け出すと、後半を通してセーフティリードを保って114-104の勝利。勝因はブレイザーズがプレー強度で上回ったことだった。クリッパーズのセンターは、控えのアイザイア・ジャクソンとヤニク・コナン・ニーダーハウザーをケガを欠いたことでブルック・ロペスのみ。ブレイザーズはリバウンドで48-30と上回り、特にオフェンスリバウンドでは18-8と圧倒してセカンドチャンスから32得点を稼ぎ出した。
クリッパーズを率いるタロン・ルーは「フィジカルの攻防で完全にやられた。強引なプレーに我々は耐えられなかった。今日は対抗する手立てがなかった」と完敗を認める。
ブレイザーズではデニ・アブディヤが28得点11リバウンド8アシストとトリプル・ダブル級の活躍。ただスタッツを積み上げるだけでなく、ゴー・トゥー・ガイとしてチームオフェンスが停滞した時、相手に勢いが出そうな時に力強いアタックを見せ、タフショットをねじ込んだりフリースローで得点を繋いだりとエースの責任を果たした。
それを上回る30得点を挙げたのはドリュー・ホリデーだ。第4クォーター開始1分で彼が決めた3ポイントシュートにより、ブレイザーズはこの試合で最大の19点までリードを広げ、フィジカルの攻防で負け続けていたクリッパーズの士気を断ち切った。
ブレイザーズのヘッドコーチ、ティアゴ・スプリッターは「シュートを決めただけでなく、こちらに有利なマッチアップを使って攻める的確な判断をしてくれた。ディフェンスでもカワイ・レナードやダリアス・ガーランドという守りづらい相手をマークして激しく戦った」と、ホリデーのパフォーマンスを称えた。
only right for Jrue to score 30 pts & hit 7 3s in LA pic.twitter.com/QVPGnCUqXg
— Portland Trail Blazers (@trailblazers) April 1, 2026
ホリデーはNBAキャリア17年目の大ベテラン。2年前の優勝に貢献したセルティックスがサラリーキャップ削減を迫られたことで再建中のブレイザーズに移籍してきたが、まったく腐ることなくチームに求められる役割を果たしている。それはオフコートでは若い選手たちに『勝つための習慣』を見せることであり、オンコートではチームの強みであるインテンシティの高さを先頭に立って示し、トーンをセットすることだ。
それでも、これまで在籍したどのチームでも『最高のチームメート』の評価を得てきた彼は、この重要な勝利も「全員の貢献があったからさ」と謙虚だった。
「まずはデニがペイントアタックで相手にプレッシャーを掛ける、彼らしいプレーで流れを作ってくれた。チームの3ポイントシュートが好調だったのは、その流れのおかげだ。ドノバン(クリンガン)は得点こそ伸びなかったけど、リムプロテクトの圧力はすごかった。マティース(サイブル)のディフェンスも素晴らしかった。全員がチームに良い流れを作り出す中で、僕も後半になってシュートが当たり始めたんだ」
ホリデーは大量得点を挙げる選手ではないが、この重要な一戦で今シーズン3度目の30得点超えを記録した。「狙ったわけじゃない。チャンスが来たのでシュートを打ち、それが決まっただけ。チームとして連携し、良いシュートチャンスを作り出せた結果、僕の得点が伸びたんだ」
現地3月30日のNBA理事会でブレイザーズの売却が承認され、ポール・アレンからトム・ダンドンへのオーナー変更が正式決定となった。NHLのカロライナ・ハリケーンズも所有するダンドンの下、老朽化したモダ・センターの大規模改修を始め、ブレイザーズへの投資は大きく伸びると見られている。
ダンドンを始め新たなオーナー陣が見守る『御前試合』となったことがモチベーションになったかと問われたホリデーは「それはまったくなかった。僕たちには達成したい目標がある。この試合の重要性を理解し、試合だけに集中していた」と答え、こう続けた。「でも、新オーナーは今日の朝食とシュートアラウンドにも来てくれて、そこで話ができた。ポジティブな意欲を持っている人物がチームを支えてくれるのはありがたいよ」
この勝利でブレイザーズは39勝38敗となり、西カンファレンス9位ではあるが8位クリッパーズに0.5ゲーム差と肉薄した。残り5試合も、この試合と同じインテンシティで戦うとホリデーは語った。「僕たちの最大の武器が攻守のプレー強度だ。良いエネルギーが出せている時は常に良いことが起きるものさ」
