
「チームを一つにできなかったことは反省」
秋田ノーザンハピネッツは3月29日に行われた京都ハンナリーズとの第2戦に63-86で敗れ、今シーズン初の連勝を逃した。スコアだけを見れば完敗だが、序盤に主導権を握ったのは秋田だった。
試合の入りは秋田が目指すバスケットボールそのもので、中山拓哉も「チームとして良い入りができていて、前半の15分から17分ぐらいは本当に良いディフェンス、良いオフェンスができていた」と振り返る。激しいディフェンスで相手のターンオーバーを誘い、そこからイージーなレイアップに繋げる展開で会場を沸かせた。
しかし、第2クォーター終盤から流れは一変。京都に勢いを与えてしまうと、後半は相手のゾーンディフェンスに対して攻めあぐねる展開が続いた。「後半はチームとしてゾーンのオフェンスが全くできなかった」と語る通り、インサイドへのアタックやボールムーブを試みるものの、長距離砲が決まらない(後半の3ポイントシュートは23本中2本の成功)ことで、ゾーンを攻略できなかった。
中山は単にシュートが入らないこと以上に、その影響がディフェンスにまで波及してしまったことを悔やんだ。「シュートが入らなかったり、オフェンスが良くない時にディフェンスにも引きずってしまったから、ああいうゲームになりました。うまくいっていない時こそチームが一つにならなきゃいけないのに、そこでみんなが違う方向を向いてしまった」
「良い時間帯はみんな顔を上げているし、アイコンタクトがあるんです。でもうまくいかない時間帯は一人ひとりのベクトル、方向がちょっと違う。審判だったり、ミスだったり、相手の選手に行ってしまっていた」
原因が分かっても、それを簡単に改善できれば苦労はしない。中山も「チームとして声をかけていないわけではないですが、上がり切っている(冷静ではない)選手を戻すのは難しいです。でも、それをやらないと勝てない」と言う。
「僕自身もすべてを分かっているかって言ったらそうじゃないですけど、分かる時もやっぱあるので。そこで1回ちゃんと同じページにならないと。落ちている選手を引っ張り上げるのは、試合に出てる選手もそうだし、ベンチからもそうならないといけない。僕は長く出ているので、勝たせられなかったり、チームを一つにできなかったことは反省しています」
移籍市場が年々活発になっているBリーグにおいて、一つのチームに在籍し続ける選手は多くない。Bリーグ誕生と同時に加入してから10年間、秋田の主力を張り続ける中山はその数少ないフランチャイズプレーヤーのうちの一人だ。だからこそファンの期待を一身に背負うが、そのプレッシャーから解放されたい時もあるだろう。しかし、中山は「(逃げ出したくなる時は)ないですね」と即答した。
「今シーズンは本当に勝てていないですし、悔しい思いをしている中でも会場に来てくれたり、バスケットLIVEを通じて見てくれる人たちがいます。やり続けることがファンに対する責任だと思っているし、そこをやめたいと思うことは一切ないです」
秋田のアイデンティティを取り戻し、ファンの声援に応えるために、中山はこれからも前を向く。この敗戦を糧に、秋田が一つのページをめくり、真の結束を見せてくれることに期待したい。