「自分がステップアップしよう、の力が集まった結果」
レギュラーシーズン最終盤、東カンファレンスでは5位から10位までの6チームが3.5ゲーム差にひしめき合っている。現地3月29日、41勝のラプターズが39勝のマジックと対戦。直接対決の重みが非常に大きな状況で接戦が予想されたが、第2クォーター早々に勝負を決めたラプターズが139-87と大勝した。
ブランドン・イングラムとイマニュエル・クイックリーを欠くラプターズは、序盤こそ相手にリードを許したが、強度の高いディフェンスから流れを引き寄せる。14-20と6点ビハインドの第1クォーター残り5分半から第2クォーター最初の2分で31-0のラン。この間、強烈なプレッシャーでマジックの攻めの起点を破壊し、ターンオーバーから速攻に転じてのイージーシュートが何本もあった。
マジックはフィジカルで圧倒されて混乱に陥り、ハリーバックを徹底できず。長いランの間にはラプターズの5人が速攻で走っているのに、ジェボン・カーターしか守備に戻らないシーンもあった。いくら守備に定評のあるカーターでも、これでは防ぎようがない。カーターを引き付けたグレイディ・ディックからのパスを受けたスコッティ・バーンズは、相手が誰も守備も戻らないことに当惑しながら得点を決めた。
マジックを率いるジャマール・モズリーは、この間に使えるタイムアウトを全部使ったが、流れを変えられなかった。パオロ・バンケロのミドルジャンパーでようやくランは止まったが、その後もラプターズが攻守とも上回る展開が続いた。
「選手たちは全く準備ができないまま試合に入ってしまったが、それは覚悟を決めさせなかった私の責任だ」と指揮官モズリーは言う。これまでのキャリア5年でプレーオフを4度経験しているデズモンド・ベインも意気消沈の面持ちで、「長いシーズンの中には、大差で負けていても動揺を見せないような図太さが求められるんだけど、今日はそれもできなかった。ディフェンスでは走れず、オフェンスでは27回もターンオーバーをした。これほどライブターンオーバーを連発すると、戻って守るのは難しい」と話した。
一方のラプターズにとっては、シーズン終盤の大事な時期に士気を高める大勝利となった。マジックの指揮官が責任を背負ったのとは対照的に、ラプターズを率いるダーコ・ラジャコビッチは「神に導かれた試合だった」と、圧勝の要因を人知の及ばない力だと表現した。
Scottie Barnes shined in Toronto's win!
— NBA (@NBA) March 30, 2026
23 PTS (9-14 FGM)
5 REB
15 AST (career-high)
3 STL
His 4th straight game with 10+ AST 👏 pic.twitter.com/griiHNBHKB
バーンズは23得点にキャリアハイを更新する15アシストを記録。しかもこれは、大差が付いたことで第4クォーターはプレーせずに出場わずか28分でのスタッツだ。「ケガ人がいてベストメンバーが組めない状況で、『自分がステップアップしよう』と考えた一人ひとりの力が集まった結果だと思う。とにかくアグレッシブに、ディフェンスから仕掛けていこうと声を掛け合えたのが良かった」
31-0のランで中心となったのは、ビッグマンながら速攻に走り続けたサンドロ・マムケラシュビリと、相手のターンオーバーを引き出しつつ、自分たちは超ハイテンポに攻めながらもミスなくフィニッシュまで持ち込む流れを作ったバーンズだ。
「31-0のランだなんて気付かなかった。コートにいた選手全員がプレーに極限まで集中していた。2ウェイ契約のAJ・ローソンやアライジャ・マーティンも含めて全員がね」
バーンズはここまで18.5得点、7.8リバウンド、5.6アシストとオールラウンドな働きを見せている。彼が在籍する5シーズンでチームには何度かの転換期があり、そのたびに彼はプレースタイルも修正しながら主力の働きを続けている。今シーズンはシュートを打つ回数が減っているが確率が上がることで得点ダウンは最小限に済ませ、アシスト/ターンオーバーも向上している。プレーメーカーのイメージはないが、ここ4試合連続で2桁アシストと、ここに来て周囲との連携も向上している。
「アシストのキャリアハイを更新したのは、会場のビジョンに表示されて初めて知った。トランジションでペースを上げて、アグレッシブにリムを攻め、同時に仲間のカッティングをしっかり視野に入れる。そういったすべての要素がアシストに繋がっている」と彼は言う。
レギュラーシーズンは残すところあと8試合。この勢いを継続させられればプレーオフでも脅威の存在になりそうだ。
