佐々木隆成

日本人選手の得点で大きな差をつけたことが勝因に

3月28日、三遠ネオフェニックスはアウェーに乗り込んでアルバルク東京と対戦。後半にディフェンスを立て直すと、ここ一番で持ち味の爆発的なオフェンス力を発揮して、93-83の見事な逆転勝利を収めた。

試合は出だしから攻守の素早い切り替えによるトランジションの応酬となり、ともに確率良くシュートを決めることで点の取り合いに。A東京がブランドン・デイヴィス、セバスチャン・サイズのインサイドコンビで得点を重ねると、三遠も佐々木隆成を中心に応戦。ただ、フリースロー数で大きく上回ったA東京が51-46とリードして前半を終える。

後半の立ち上がり、三遠はスティールを献上するなどオフェンスのミスが増えることで、ビハインドが2桁に広がる。だが、ここからゾーンディフェンスを効果的に使うことで、A東京のインサイドアタックを食い止める。そして、リバウンドをしっかり取り切ることで走る流れに持ち込み、デイビッド・ヌワバが豪快なダンクを叩きこむなど勢いに乗った。

こうして三遠は第3クォーターを67-67で終えるまでに持ち直すと、第4クォーターに入っても勢いは止まらなかった。A東京はデイヴィスが33得点、サイズが25得点と大暴れだったが、日本人選手は合計で14得点のみ。最後の勝負どころでデイヴィスとサイズがガス欠となり、これまでのように守備をこじ開けて突破できなくなると、外からのタフショットが続く悪循環となってオフェンスが停滞した。逆に三遠はヤンテ・メイテン、ヌワバのインサイドアタックに加え、要所で大浦颯太や根本大と日本人選手も決めるなど、最後までチームで崩すバランスの取れたオフェンスを展開。佐々木と根本が15得点を挙げ、日本人選手合計で43得点と、A東京との違いを生み出したことが勝敗を分けた。

三遠のエースガードである佐々木は、20分4秒のプレータイムで3ポイントシュート5本中4本成功を含む15得点7アシストを記録。前半にA東京のインサイドアタックで突き放されかけた時、佐々木の得点で踏みとどまれたのは、試合全体を振り返っても大きなポイントだった。佐々木は「途中まで苦しい展開が続きましたが、特に後半で自分たちのバスケットを我慢強くやれたことが良かったと思います。明日からもこれを続けていきたいです」と勝因を語る。

佐々木隆成

逆転でのCS出場へ「目の前の相手をやっつけることに集中していく」

昨シーズンのチャンピオンシップで負った左アキレス腱断裂の大ケガから12月に復帰した佐々木だが、すぐに右ハムストリングの肉離れで離脱とコンディションに苦しんだ。1月末からは継続して試合に出ており、3月15日のレバンガ北海道戦での20得点に続く活躍と状態を上げている。

それでも自身のプレーについては「まだまだできると思います」と満足していない。「今日も足をつってしまうなど、第3クォーターの途中くらいから結構限界でした。そういった部分でもまだまだですし、これからもっと良くなっていく段階にあると思っています」

佐々木は足をつった影響もあり、第4クォーターの後半をベンチで過ごした。それでも、自身の代わりに根本や湧川颯斗らが活躍した。佐々木は「シーズン序盤から成長していると思いますし、僕も『負けないぞ』という気持ちで競争しながらやっていきたいです」と言い、若手の台頭に良い刺激を受けている。

そして、この試合では2月の頭から欠場が続いていた吉井裕鷹も復帰。シーズン序盤から故障者に苦しんでいた中、ようやくフルメンバーで戦える。「ケガ人が戻ってきて全員で戦えることは本当に良いと思っています。あまりチャンピオンシップとか先のことを考えず、目の前の相手をやっつけることに集中していく気持ちでこれからもやっていきたいです」と、佐々木は意気込んだ。

今日の勝利で、三遠は連勝を10に伸ばした。チャンピオンシップ最後の切符となるワイルドカード4位とは3ゲーム差だ。「取りこぼすことができない崖っぷちの状況です」と佐々木が語るように、ここからひっくり返すのは簡単ではないが、手の届かない位置ではなくなった。

これから三遠は仙台89ERS、琉球ゴールデンキングス、シーホース三河、広島ドラゴンフライズと、ワイルドカード争いのライバル相手との直接対決も多く残している。明日も勝ってアウェーで価値ある同一カード連勝を達成できれば、チャンピオンシップは本格的に射程圏内へと入ってくる。