「チームとコーチを信じてプレーを続けたことで、少しは貢献できた」
女子日本代表は『FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント』ゲーム4でカナダと対戦。最後までもつれる激闘となったが、ここ一番のディフェンスで踏ん張ることで66-62と競り勝ち、4試合目にして大会初勝利を挙げた。これで日本は17日の最終戦でアルゼンチンに勝利し、カナダがオーストラリアに敗れた場合、本大会出場の切符をつかむことができる。
これまで3連敗中の日本に対し、カナダは開幕戦でトルコに競り負けたが、日本が敗れたハンガリーに22点差の圧勝。さらに3試合目もアルゼンチンに34点差勝利と尻上がりに調子を上げていた。
試合の立ち上がり、日本はカナダの勢いにのまれる形で、オフェンスリバウンドを次々と取られてはインサイドで失点を重ね、開始5分で4-13と厳しいスタートとなる。しかし山本麻衣の活躍などですぐに肉薄すると、試合終盤まで息詰まる展開が続く。そんな中、日本の1点リードで迎えた試合残り4分から、値千金の活躍を見せたのが今野紀花だった。
今野はコーリー・ゲインズヘッドコーチの初陣となった昨夏のFIBA女子アジアカップ2025でフル代表デビューを飾ると、6試合で平均20.5分出場、7.8得点、2.8リバウンド、2.2アシストと主力の一員として活躍した。だが、この予選トーナメントでは思うようなプレーができず、試合を重ねるごとに出番が減った結果、3試合目のトルコ戦ではわずか3分出場に終わっていた。
それがカナダ戦では試合終盤の大事な場面で起用されると、残り3分50秒にオフェンスリバウンドをもぎとり、直後のポゼッションで山本のアシストからゴール下でリバースレイアップを成功。初戦のハンガリー戦以来となる得点を挙げると、さらに3点リードで迎えた残り2分49秒、日本に勝利を大きく引き寄せる3ポイントシュートと、ビッグプレーを連発した。
過去3試合の悔しい思いを払拭するプレーを見せた今野は、勝利の喜びを語る。「うまく行かない時は、すごく苦しかったですが、本当にみんなに支えてもらっていました。どうしても結果で恩返ししたい気持ちが強かったです。そのチャンスは絶対に来ると、チームとコーチを信じてプレーを続けたことで、少しは貢献できて本当に良かったです」
「今日みたいに全員が強気でお互いを信じ合うこと」
また、ここまで苦しんだ理由を「大きいのは気持ちの面で、クリアになっていないところが多くもどかしかったです」と明かすと、この試合の活躍はそれでも自身を信じてくれた周囲のおかげと強調する。
「本当に支えられて毎日、一歩ですけど気持ちを進められた結果、まだまだ全然ですが、いつもよりできたことが良かったと思います。本当に素晴らしいチームメートがいて、熱い気持ちがコーチたちから伝わってきて、自分を信じ切ってくださっているので、その信頼に絶対に報いたい思いでした。このチームの文化のおかげで、今日のプレーができたので感謝です」
また、最後の勝負どころでコートに立ち、ビッグショットを決めた場面をこう振り返っている。「無我夢中でしたけど、勝って『本当にありがとう』と伝えたい人がたくさんいるので、絶対に勝ちたい。そこだけでした。(3ポイントシュートは)打たないと始まらない、感謝の気持ちを伝えるには打ち切るしかない。その気持ちが、あの一本に繋がったと思います」
この勝利で日本はワールドカップ出場の可能性を残した。最終戦のアルゼンチン戦に向け今野は、「自分たちができることを最後まで信じることが、一番の前提です。いろいろありますけど、日本のやりたい速いペースを保つ意識と、今日のように全員が強気でお互いを信じ合うこと。きれいごとに聞こえますけど、それが本当に大事です」と締めくくる。
今野が語るように、最後まで自分たちを信じ、やるべきことを貫けば、世界を相手にしても勝つことができる。日本にとってこの勝利は、3連敗で停滞していたチームのムードを一気に払拭するものとなった。そしてその背景には、短期決戦を勝ち抜くためのXファクターへとステップアップした今野の存在があった。

