
「次のアクションに動かないといけない」
佐賀バルーナーズは3月11日に三遠ネオフェニックスとホームで対戦。首位争いを演じる名古屋ダイヤモンドドルフィンズや千葉ジェッツ相手に勝利を収め、ワイルドカード争いに食らいついていたが、2月14日のアルバルク東京戦から4連敗を喫して苦しい状況へと一転した。対する三遠は、シーズン序盤にケガ人を多く抱え苦戦を強いられていたがここにきて6連勝をマークし、前節についに佐賀の順位を抜いた。佐賀にとってはチャンピオンシップ出場のために落としたくない大事な一戦となったが91-96で敗戦。序盤の内容は良かったものの、第4クォーターで力尽き、逆転負けを許した。
「It’s Tough……」。39分間プレーしたデイビッド・ダジンスキーは開口一番、悔しさを滲ませた。そう話すのも無理はない。佐賀は金丸晃輔、ジョシュ・ハレルソン、日本人ビッグマンの橋本晃佑をロスターから欠いた。そして、レイナルド・ガルシアが出場して間もなく足の筋肉の張りを訴えてベンチに下がり、アクティブなメンバーは限られていった。
前半は佐賀らしいバスケットを展開し、流れの中でフリーの選手を作り効率良く得点を重ねていった。しかし、後半に入ると三遠のディフェンスの強度が上がり、思うようにプレーができず、第4クォーターには25得点9リバウンドとダブル・ダブル達成間近だったタナー・グローヴスがファウルアウト。手薄になったインサイドをヤンテ・メイテン、キャメロン・ジャクソンに攻め込まれ逆転を許してしまった。
ダジンスキーは「やはりヤンテと30分以上マッチアップしたら、ファウルアウトしないのはとても難しいことだと思います」と、グローヴスのファウルアウトを擁護した。彼の考える問題はそこではなかった。「後半に入ってから相手のプレッシャーがとても強くて、我々はプレッシャーに引いてしまい、オフェンスの流れが良くなくなってしまいました」
チームが連動性を意識してバスケットを組み立てているからこそ、積極性を失ってしまうことが問題となる。この先、連敗というトンネルを抜けるためには「オフェンスの流れが良くなくなったら、ボールを止めないで次のアクションに動かないといけない」と語った。

新加入とは思えないアジャスト能力を発揮
ダジンスキーは昨シーズンまで今回対戦した三遠でプレーしていたが、佐賀のバスケットスタイルにフィットするのに時間はかからなかった。「私たちは一人の選手にボールを預けて周りが広がり、そこから得点するようなチームではありません。そして、私自身も1on1から得点をするタイプのプレーヤーではないので、自分に非常によく合っています」。そう語るようにフローオフェンスを展開する佐賀とダジンスキーの相性は良い。そしてこのように続けた。
「このフローオフェンスの中で、ますます多くの解決策を見出せていると思います。私たちのプレーの多くはディフェンスに反応して行われるため、スカウティングするのは非常に難しいはずです。現に私たちはリーグで2位のアシスト数を記録しています。日本の才能あるガード陣とともに、これをどのように進歩させていけるか楽しみです」
1on1で切り崩していくバスケットも多くのスキルが披露され、観客を魅了することに違いない。しかし常にカッティングを行い、ボールが気持ち良いぐらいに回り、オープンになったプレーヤーがシュート決め切る。トランジションも多く、阿吽の呼吸によって生まれるオープンショットに人々は目を奪われる。ケガ人が増えて、戦力で引けを取る状況だが、佐賀は成績以上に魅力的なバスケットを展開している。
「私たちはどんどん進歩しています」と語るダジンスキーは、チャンピオンシップ出場のために険しい戦いが続くチーム状況について、こう話した。「このチームは誰もあきらめていません」。彼の瞳に宿る闘志の炎が消えることはない。