
本職の司令塔ではないコンボカードとして存在感
3月8日、滋賀レイクスはアウェーで川崎ブレイブサンダースと対戦。試合を通してディフェンスで激しいプレッシャーをかけ続けることで、川崎のリズムを崩して79-56で快勝。前日に敗れたリベンジを果たした。
立ち上がりは互角の中、滋賀は第1クォーター途中に敵陣から仕掛けるトラップディフェンスで川崎から連続ターンオーバーの誘発に成功。守備で流れを引き寄せると、堅守からのトランジションによって第1クォーター残り4分半から10-0のランを繰り出す。これで主導権を握った滋賀は前半を15点リードで折り返した。
後半に入っても滋賀は高い集中力をキープ。1対1でしっかりと抑えることで守備のズレを作らせずタフショットを打たせ続けると、第3クォーターの川崎のフィールドゴールを13本中4本成功に抑え込んだ。こうしてリードを20点以上へと広げ、そのまま逃げきった。
滋賀のルーキー、岩下准平は前半に効果的に3ポイントシュートを沈め、身体を張ったディフェンスでも存在感を見せた。18分37秒のプレータイムで6得点5リバウンドを記録し、攻守で勝利に貢献した。
「昨日の負けから今日しっかり勝てたところは良かったと思います。ただ、第4クォーターに緩くなってしまったところがありました。そこは次の仙台(89ERS)戦に向けてしっかり改善していかないといけないです」。このように岩下は振り返り、勝利の喜び以上に、第4クォーターだけで8ターンオーバーを喫したゲームクローズの拙さへの反省を強調した。
岩下は今年のBリーグドラフトで長崎ヴェルカから1巡指名を受けた後、育成契約選手制度によって、すでに2026-27シーズンまで滋賀への期限付き移籍が決まっている。2月7日の島根スサノオマジック戦で滋賀デビューを果たすと、ここまで4試合に出場しすべてで15分以上のプレータイムと、戦力の一人としてしっかり計算されている。福岡大学附属大濠、筑波大の名門でともに生粋のポイントガードとしてゲームメークを担ってきた岩下だが、滋賀にはすでに游艾喆、野本大智と2人の司令塔がいて、彼らと一緒にプレーするコンボガード的な使われ方が多い。それでも、持ち味である高いバスケットボールIQを生かし、しっかりとアジャストしている。

前田HC「何が必要なのか、試合の流れを読む力を持っている」
滋賀の前田健滋朗ヘッドコーチは、岩下について次のように評価している。「ウチにはポイントガードに游と野本がいるので、ポイントガードらしい、いわゆるボールを運んでプレーコールをしたりする機会は少ないです。でも彼は学生時代からずっと世代のトップを走ってきて、現時点ではまだまだですけど、試合中にチームとして何が必要なのか、試合の流れを読む力を持っていると思います」
そして指揮官は、岩下の将来性に大きな期待を寄せる。「オフェンスに関してはハンドリングに加え、シュートも得意なのは良い部分です。ただ、もっと良い選手になれると思いますし、滋賀を引っ張っていく存在になっていくと思います」
ここまでの岩下は使われ方もあり、ゲームメークというより得点面でインパクトを与えており、「3ポイントシュートだったり、得点を積極的に狙いに行くようにしています。そこは自分の長所だと思うので、しっかりと良い判断をしていきたいです」と語る。
そして、学生時代と違う起用法も「苦ではないという感じです」と特に気にならないようで、与えられた役割でいかに貢献するかにフォーカスしている。「ずっとボールを持っていないからこそ、要所でタイミングを見計らって仕掛けていきたいです。それができているかは分からないですけど、正解を見つけていきたいです」
筑波大時代は故障に苦しんでいたことも影響し、岩下は3年生までにBリーグでプレーした経験はない。その中で、早くもB1の舞台で爪痕を残せているのは上々のスタートと言える。さらなる成長へ、次のように意気込みを語る。
「大学とプレー強度やスピードが違う中、バイウィークの練習で少しは慣れたと思いますが、もっとアジャストしないといけないです。特にディフェンスの面で、もっとアグレッシブに守れるところは守りたいです。今の自分の実力では、まだまだと感じているので、もっと成長していきたいです」
次の仙台89ERSとの水曜ゲームは、岩下にとって5試合目でようやく初のホームゲームとなる。滋賀ファンにとっても待望のホームデビューでどんなインパクトを残してくれるのか、より楽しみになる今回のプレーだった。