「いつでも外される危機感を持って参加している」

女子日本代表は3月11日からトルコ・イスタンブールで行われる『FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント』に臨む。今大会は、オーストラリア、トルコ、カナダ、ハンガリー、アルゼンチンと総当たり戦を行う。本大会に出場するためには、昨夏に開催された『FIBA女子アジアカップ2025』で優勝し、すでに出場権開催権を得ているオーストラリアを除く、トルコ、カナダ、ハンガリー、アルゼンチンの中でグループ3位以内に入ることが条件となる。

パリオリンピック以降、若返りを図っている女子日本代表だが大ベテランの髙田真希は引き続き代表に選ばれ続けている。今シーズンのWリーグでも髙田はレギュラーシーズンで平均12.1得点、5.0リバウンド、2.1アシストと安定したプレーを披露。若手が台頭してきた中でも、攻守における安定感において髙田は日本女子バスケ界随一のインサイドプレーヤーであり続けている。

だからこそ今回の代表選出も誰もが当然と考えるが、髙田は違う考えだ。「自分が少しでも調子が悪かったら、代表から外れてしまう意識は持っています」

「常に安定した場所が用意されているとは思っていないです。しっかりと自分がつかみに行っているからこそ得られている部分だと思います。若手の突き上げをすごく感じているところはあります。自分の年齢が高くなっている分、若手の方がいいなと思われたら自分はいつでも外されるという危機感を持って毎回、合宿に参加しています」

コーリー・ゲインズヘッドコーチ体制で初の公式戦となった昨夏の女子アジアカップ2025では、ベスト4で開催国の中国を撃破するアップセットを演じたが、グループリーグではレバノンに4点差、フィリピンには3点差と格下相手に辛勝するスロースタートだった。

実力伯仲の戦いが予想される今回の予選トーナメントにおいて、同じ轍を踏んでしまったら本来の力を示す前に勝ち星を落とし、そのままペースをつかめず連敗となってもおかしくない。初戦から力を発揮するために「一番言われているのはコミュニケーションの部分です」と髙田はその重要性を強調する。

「ディフェンスで後手に回ってしまうと自分たちの早いバスケットを繰り出せないです。アジアカップのグループリーグでも、簡単に相手にやられてしまう部分が多くてなかなか、自分たちのリズムをつかめなかったです。ディフェンスでしっかり声を出すことは練習でもずっと言われていることです」

そういったチーム力の熟成は、日本のアドバンテージになる。少なくとも欧州のチームは、日本と比べると直前までそれぞれの国内リーグ戦、ユーロリーグなどの国際試合を戦っており、合宿の期間は少ない。髙田もこう語る。「自分たちの持ち味の一つはしっかりと(大半の国に比べ)合宿を重ねられることで、オフェンスもディフェンスも組織的に動けることです。少しでも、より完成されたチームは勝ち上がっていく印象もあったりします」

銀メダルを獲得した東京オリンピック以降、日本のスモールボールに対する世界の対策は進み、前回の女子ワールドカップ、パリオリンピックともにグループリーグ敗退と厳しい結果が続いている。その中で今回のワールドカップ予選トーナメントは難敵揃いで、厳しい戦いが予想される。髙田も気を引き締めている。

「正直、『自分たちがここで世界への切符をつかみ取る。途絶えさせていけない』と、思う部分はあります。これまでとまた違った感覚で責任感を持ってやらないといけないのは今回、あらためて感じています』

5試合あるとはいえ、勝って弾みをつけたい大事な初戦の相手はハンガリーとなっている。そのハンガリーとは、パリオリンピック最終予選で戦い75-81で敗れている。「『また、ハンガリーか』と思いました。でもリベンジします」と髙田は力強く語る。このリベンジ達成で最高のスタートを切るためには、髙田の攻守で安定したプレーは必要だ。