
エンジェル・リースの弟が3戦目で20得点20リバウンド
現地3月5日、ホークスからウィザーズにトレードされたトレイ・ヤングが、ジャズとの試合で新天地デビューを果たした。右膝のケガで昨年末からプレーしていなかった彼にとっては久々の実戦であり、プレータイムに制限はあったし、まだまだ感覚を取り戻す必要はあるが、わずか19分の出場でも12得点6アシストを記録。「ルーキーみたいに昨日はよく眠れなかったし、今日もずっと落ち着かなかった。それでも試合のリズムを感じ、新しいチームメートとプレーするのが楽しみだった。まずはこの初戦を終えられて良かった」とトレイは言う。
残念ながら今シーズンのウィザーズはすでに勝つ意義を失っており、トレイが復帰して100%のパフォーマンスを取り戻したところで、それは目の前の試合に勝つためではなく、来シーズンへの土台作りにあてられる。それでも、若い素材ばかりでスター選手の輝きがなかったチームに、彼の復帰は良い刺激となる。ヘッドコーチのブライアン・キーフは「アリーナに特別なエネルギーがあった。ファンがトレイを応援するために集まってくれたと感じる」と語る。
ウィザーズでデビューを果たしたばかりで今後に注目が集まる選手はもう一人いる。22歳のジュリアン・リースだ。メリーランド大で4年間プレーした彼は、昨年のNBAドラフトにエントリーするも指名を受けられず、Gリーグのラプターズ905でプレーしていた。それでもGリーグでは24試合に出場し、平均17.5分の出場で8.6得点、7.8リバウンドを記録。その活躍が認められ、ウィザーズと2ウェイ契約を結んだ。
リースはジャズ戦で18得点20リバウンドを記録。クーパー・フラッグやコン・クヌッペルが活躍し、この試合でもジャズのエース・ベイリーがキャリアハイの32得点を更新するなど、今シーズンのルーキーたちは『豊作』の評価に相応しい活躍を見せているが、デビュー3戦目でルーキーのリバウンド記録を更新した。
First NBA double-double for @Reese10Julian 🧙♂️
📊 12 PTS | 17 REB pic.twitter.com/XByqyY5CFE
— Washington Wizards (@WashWizards) March 6, 2026
リバウンドはもともと彼の持ち味。メリーランド大では現在ペリカンズで活躍するデリク・クイーンと組み、「メリーランド大史上最強のフロントコート・デュオ」と呼ばれた。ともにボルチモア出身の彼らは、昨シーズンにメリーランド大をNCAAトーナメントのベスト16に導いた。リースは大学史上2人目となる1000得点1000リバウンドを達成している。
身長206cmのリースは、高さではなく運動量と機敏さで勝負する。『遅れてきたルーキー』に対してジャズの警戒が薄かったのを突き、ゴール下のスペースにすかさず飛び込んでは得点を奪い、リバウンドを確保した。
「ひたすらハッスルした結果だよ。僕はコートで一番大きい選手ではないけど、大切なのは勝ちたいという気持ちだし、そのために自分の得意な仕事をやりきるつもりでプレーした。チームから求められていないことまでやろうとするのではなく、自分の役割に徹した」とリースは言う。
彼のブレイクを一番喜んでいるのは、姉のエンジェル・リースだ。WNBAのスター選手として活躍するエンジェルは、弟がウィザーズ入りを果たしたことをSNSで祝福し、マジック戦ではコートサイドで弟のプレーを見届けた。アグレッシブにボールに食らい付き、得点でもリバウンドでもチームに貢献できる選手という意味で、姉と弟は共通している。
リースは言う。「食事やウエイトトレーニングなどの自己管理も普段から徹底していて、身体が出来上がってきたことで試合中も精神的に落ち着くことができ、プレーの流れを読んだり、素早い判断ができるようになってきたと思う。ウィザーズは若い選手を育てることに長けているし、トレイやAD(アンソニー・デイビス)のような偉大なベテランもいる。僕はあらゆることを吸収して、自分の成長に繋げるつもりだ」
「得点もリバウンドも、ガッツと経験の両方を必要とする。ボールがリングのどこに当たってどう弾むかを予測して、相手をボックスアウトでペイント外に押し出すか、リングの下に押し込む判断も大事になる。大学時代からずっとやっているけど、まだまだすべてを理解したわけじゃない。リバウンドを自分の武器にするために、もっともっと経験を積みたい」
1週間前までは先の見えないGリーグ暮らしだったのが一転、NBAのコートに立ち、トレイ・ヤングの3ポイントシュートの軌道を見極めてリバウンドを狙う立場になった。「先週の木曜にウィザーズから連絡をもらって、金曜に荷物をまとめてカナダを発った。翌日の試合を見学して、2日後には先発出場。それから4日間で3試合でプレーした。目まぐるしい展開だけど、僕はチャンスに備えて常に準備してきた。やるべきことを怠らなければ道は開けるんだ」