
クリスマスゲームで3度目の対戦、スパーズ3連勝なるか
スパーズはNBAカップ準決勝でサンダーの連勝を止めてから10日後、再びの顔合わせで130-110の圧勝を収めました。開幕から歴史的な勝率を記録してきたサンダーに対して一歩も引くことなく、自分たちの強みを存分に出しています。
サンダー最大の武器は異様なレーティングを誇るディフェンスにあります。1on1ディフェンスに穴がなく、しかも連動したプレッシャーディフェンスで相手のハンドラーに襲い掛かり、相手にチャンスを作らせないだけでなく、ボールを奪い取ってカウンターアタックを生み出します。これがサンダーがほとんどの試合で大勝することに繋がっています。
しかし、このサンダーのディフェンスが通用しないハンドラーが相手になると、サンダーの優位は揺らぎます。スパーズのハンドラーはディアロン・フォックス、ステフォン・キャッスル、そしてルーキーのディラン・ハーパー。10日前の試合では前半こそ若いキャッスルとハーパーにミスが目立ちましたが、そのプレッシャーに慣れた後半はミスが減って逆転勝利となりました。そして今回の対戦ではターンオーバーは5つのみとミスが起こらず、サンダーが得意とする速攻をわずか5失点に抑え込みました。
ティンバーウルブズ戦でもサンダーは速攻で9点しか奪えずに敗れており、サンダー相手にはミスを抑えることが第一で、それは自分たちのオフェンスを機能させるだけでなく、サンダーの速攻を抑えることにもなるキーポイントになります。
しかし、サンダーには101試合連続で20点以上を記録しているシェイ・ギルジャス・アレクサンダーがいて、それを上回るだけの得点を奪いに行く積極性も求められるのが難しいところです。
この試合、ベンチスタートのビクター・ウェンバニャマは23分で12得点と平凡な得点に終わりました。それでも同じくベンチから出てきたケルドン・ジョンソンの25得点が光りました。これにはサンダー側の戦略の失敗もあり、ウェンバニャマにジェイレン・ウィリアムズやアレックス・カルーソをマッチアップさせたことで、ケルドンにはビッグマンのチェット・ホルムグレンやアイザイア・ハーテンシュタインがマッチアップすることとなり、スピードのミスマッチを使ったり、コーナースリーで簡単に得点を重ねました。
サンダーの強みはツインタワーからノービッグまで使えるラインナップの柔軟性ですが、スパーズ相手には起用法が裏目に出ています。ウェンバニャマ対策を気にしすぎての失敗もあれば、フォックスを警戒してキャッスルに突破される、ハンドラーへプレッシャーを強めるとウイングに得点を奪われるなど、スパーズはサンダーの多様なディフェンス易々と突破していきます。
スパーズからしてもシェイに33得点を奪われただけでなく、サンダーのフィールドゴール成功率は54%、3ポイントシュート成功率も40%とディフェンスが機能したわけではありません。それでもオフェンスではカウンターのリスクを抑えながらキャッスルが24得点、フォックスとハーパーで19アシストとガード陣を中心にしてワイドに展開する攻めで130得点を奪い、オフェンス力で打ち勝ちました。
これでスパーズは7連勝となり、西カンファレンス2位へと浮上しました。フォックス中心のオフェンスが機能しており、その上でウェンバニャマがベンチから出てくるため、試合を通して迫力のあるオフェンスを展開できています。2日後のクリスマスゲームでもサンダーとの対戦が組まれており、圧倒的な強さを見せてきたサンダー相手に3連勝を飾れるのかも注目です。