ドレイモンド・グリーン

無気力プレーにパスミス、タイムアウトで指揮官と口論

現地12月22日、ウォリアーズはホームでマジックと対戦。接戦が続いたものの、第3クォーター終盤から一気に抜け出し、最終的には120-97の大勝を収めた。

しかし、勝利はほとんど話題にならなかった。第3クォーター途中に指揮官スティーブ・カーと口論となったドレイモンド・グリーンがロッカールームへと引き上げ、そのままプレーしなかったからだ。

第3クォーターに入ってからのグリーンは、ディフェンスのチームルールを守っていないと思われるシーンがいくつか続いた。ミスだけでなく無気力でプレーに加わらないような素振りもあった。そしてトランジションから右コーナーへと大きく振るパスを出すが、これが簡単にカットされる。次のディフェンスでも失点が続くと、指揮官カーはタイムアウトを要求。「頭を冷やすためだった」と彼は振り返る。

ところが、このタイムアウトは逆効果だった。2人は口論となり、グリーンはコートを去った。カーは「彼は頭を冷やすためにロッカールームに戻る決断をした」と、これが彼の指示ではなくグリーンの判断であることを明かす。ただ、その先は「これ以上はプライベートな問題なので説明するつもりはない」とノーコメントだった。

グリーンが感情に走ってしまう愚行は過去に何度も繰り返されてきた。ただ、彼が立派なのは明らかに自分にネガティブな状況でも、メディアの前に出て話す姿勢だ。この日も彼は会見に出て、事の次第を説明した。

「感情が溢れ出してしまい、その場から離れるのが適切だと思った。あのまま残っても状況は良くならなかったと思う。口論の原因はシンプルにバスケだよ。バスケは感情の揺れが大きい競技で、感情を抑えられないこともある」

そしてグリーンは、これが単発的な事件であり、後を引くような問題にはならないと断言した。「僕らは長い付き合いで、お互いに遠慮しないというのもある。こういうことが起きることもあるし、それでも僕らは前に進む。後々に影響しないと言えるのは、過去の衝突も一度も尾を引いてはいないからだ。僕らは勝ち続けている。だから心配ない」

指揮官カーも、試合が終わって冷静さを取り戻した後は落ち着いた口調で「我々にはドレイモンドが必要だ」と語っている。

グリーンがコートを離れたことは、ウォリアーズの選手たちの危機意識を煽り、それが集中力に繋がって勝利をもたらした。グリーンが去った時点でのスコアは66-71で、第3クォーターの残り8分半は23-12、第4クォーターは31-14と、グリーン不在のウォリアーズはすさまじい強さを見せた。2日前のサンズ戦でもグリーンは第2クォーター序盤に退場処分を受けているが、ウォリアーズはこの時点での9点ビハインドを覆して逆転勝利を収めた。

『王朝』華やかりし時代ならまだしも、今のウォリアーズは4年前の優勝を最後に下り坂にあり、ステフィン・カリーの全盛期を有意義なものにすべく試行錯誤を繰り返している。35歳になった今は実力をキープできていても、今後はその保証がなく、感情のコントロールが利かない短所ばかりが際立つ彼は、いつまで『アンタッチャブル』でいられるのだろうか。

カリーは言った。「イライラしても動揺しないことだ。パニックに陥ったり、犯人探しをしてはいけない。ハドルやロッカールームの会話は、常に解決策を見いだすための前向きなものであるべきで、そうあるように努めている」