ディラン・ハーパー

高いスキルと独特のリズム感を兼ね備えた司令塔

現地6月25日と26日に、ブルックリンのバークレイズ・センターで2025年のNBAドラフトが行われます。ロッタリーで指名順位が決まり、トレードの噂も盛んに流れていますが、今年のドラフトは豊作といわれ、各ポジションに高いポテンシャルを秘めた選手から完成度の高い選手まで異なるタイプが揃っているため、チームそれぞれの事情によって指名する選手が大きく変わってきそうです。

チーム再建において最初の軸となるべきは、オフェンスをリードするポイントガードで、今回のドラフトで最高のポイントガードと評価されているのが、マイケル・ジョーダン時代のブルズ黄金期に活躍したロン・ハーパーを父に持つサラブレッドのディラン・ハーパーです。

相手を抜き去る瞬発力があるわけではありませんが、滑らかなドリブルハンドリングに独特のリズム感からスピードの緩急を生み出してシュートチャンスを作り上げていきます。

常に駆け引きをしてディフェンダーとの間合いを取り、ガードの選手とは思えないほどゴール下でも高確率でシュートを決めることもあれば、ヘルプディフェンダーを自分へと引き付けてロブパスやキックアウトパスを使ってチームメートの得点をアシストします。チームオフェンスを構築するプレーメーカーとしては申し分ない素材です。

不安があるとすれば屈強なNBAのディフェンダー相手でも同じプレーができるかどうかで、単純な1on1では苦戦しそうです。ピック&ロールの相棒が必要なタイプだけに、優秀なスクリーナーがいるチームに指名されるのが理想です。

クーパー・フラッグに続く2位指名が予想されますが、2位指名権を持つスパーズにはガードにディアロン・フォックスとステフォン・キャッスルがいるため、他のポジションのスター選手とのトレードも噂されています。ハーパーはチームの中核を担うポテンシャルがある反面、プレースタイルが独特なだけにすでに完成されたチームは彼を加えるのに二の足を踏みそうです。ドラフト当日も含めて様々なトレードの思惑が絡んできそうです。