
デローザンから託された逆転シュートを見事に決める
現地12月21日、キングスは延長の末にロケッツを125-124で破った。これで今シーズン7勝目、ホームでの4勝目は、間違いなく今シーズン最も痛快な勝利となった。
ともにバック・トゥ・バックの2試合目だが、敵地4連戦の最終戦で前日にデンバーから移動してきたロケッツと連戦とはいえ、いずれもホームのキングスではコンディションに差があった。アリーナに詰めかけたサクラメントの1万6000人のファンの後押しもあった。第2クォーター以降は常にロケッツがリードする展開ではあったが、土壇場のエナジーではキングスが上回った。
こうしてキングスはミラクルを2回起こす。第4クォーター残り1分を切って、ケビン・デュラントのハンドリングミスから速攻となってデマー・デローザンのイージーダンク、さらに残り15秒でもデニス・シュルーダーのボールプッシュからラッセル・ウェストブルックが右コーナーからの3ポイントシュートを沈めて112-112と追い付き、延長に持ち込む。
オーバータイムは一進一退の攻防となり、同点で迎えた残り10秒でジャバリ・スミスJr.がフリースロー3本を得るも、3本目のフリースローを決められず、2点差でポゼッションはキングスに。キングスは最後の攻めでデローザンがリムアタックからキックアウト。シュルーダーが逆転の3ポイントシュートを沈め、125-124で勝利した。
指揮官ダグ・クリスティがチームにまず求めるのは、彼が現役時代に見せていたような闘争心だ。「選手たちは決してあきらめなかった。あの粘り強さには感服するよ」と選手たちの奮闘を称え、彼には珍しくこんなジョークまで飛び出した。「ハラハラしすぎて、髪があったら眉毛まで抜け落ちていたよ(笑)」
チームハイの27得点を記録しながらも、大事な場面でもパスを優先すべきと判断すれば迷わずパスを出し、9アシストを記録したデローザンは「本当に勝ちたかった。最近は勝てる試合を落としてばかりでイライラしていた。強いチームを相手にホームで勝てて良かった」と語る。
ほとんどの時間帯でビハインド、最大14点差からの逆転劇の主役となったのはシュルーダーだ。ウェストブルックに序列で抜かれてシックスマンに回る現状が心地良いはずはないが、彼はプロとしてチームの勝利のためにプレーしている。
ベンチから32分プレーして24得点7リバウンド10アシストと攻守にフル回転したシュルーダーは、苦しい試合を勝ちに持っていけた要因を「良い時も悪い時もチームとして結束していた。ペースを上げて、ボールをシェアして、オープンな選手が迷わずシュートを打った。それだけのことだ」と語る。
「勝てていないと積極性を失いがちだけど、リムを攻めるメンタリティを意識した。打てる時は自信を持って打つ。ゲームウィナーを決められたのは、大事な場面で僕を信じてパスを出してくれたデマーのおかげだ」
キングスは決してあきらめず、少しずつロケッツの調子を狂わせ、最後には大崩れさせた。キングスが今後も勝つにはクラッチタイムの勝負強さに懸けるのではなく、48分間を通じて攻守のレベルを一定に保つローテーションと戦い方を見いだす必要がある。ただ、キングスはすべての前提に『闘争心』を置くチームで、その闘争心が最高の形で発揮された1勝で、今後へと期待が持てそうだ。