原修太

「まずは日本がアジアで勝てることを証明したい」

男子日本代表は、『FIBAワールドカップ2027アジア地区予選』Window1において1128日にホーム、12月1日にアウェーでチャイニーズ・タイペイと対戦する。

今夏に行われたアジアカップで、チャイニーズ・タイペイは4位に入った2013年大会以降最高位となる8強入りを果たした。この躍進の原動力となったのは共に中国リーグCBAでプレーするリン・ティンシェン、チェン・インチュンのガードコンビ。『FIBAアジアカップ2025』で2人に次ぐ得点源となっていたウイングのアダム・ヒントン(コーネル大)がNCAAのシーズン中のため不参加となる今Windowは、ガード陣がよりオフェンスの軸となってくることが予想される。

だからこそ、今回の強化合宿で招集を受けたのがBリーグ随一のディフェンダーである千葉ジェッツの原修太だ。原自身も「(招集された理由は)ディフェンスだと思っています。アジアカップは正直、自分だったらこういう貢献ができると見ていた部分もありました。僕の持ち味であるディフェンスの強度を上げて日本の勝利に貢献したいです」と話している。

原は前回のワールドカップに出場したが、パリ五輪の選考レースでは序盤の強化合宿に招集されたのみ。今夏のアジアカップに向けた合宿にも参加していなかった。それだけに「率直に選ばれるのはすごくうれしいです。前回、呼ばれた時とは違った役割で貢献できるという思いもあります」と久しぶりの代表招集について語る。

この「違った役割」とは、オフェンス面のことを指す。「ドライブでのペイントタッチ、3ポイントシュートを打てなくてもいろいろなバリエーションで得点を狙っていけるのは以前と変わってところだと思います」

前回ワールドカップに出場した時、原は大会直前の6月に久々の合宿参加を果たすと、7月上旬に行われたチャイニーズ・タイペイとの強化試合3ポイントシュート7本中6本成功と大暴れ。最後方にいた序列を一気に上げて代表入りを勝ち取った。今回のチャイニーズ・タイペイ戦も評価を高める絶好のチャンスとなるが、今の彼はそういった個人的な目標を意識していない。

「前回のワールドカップに選んでいただいた時は、最後の最後になって初めて呼ばれた感じでした。だからこそ、同じポジションの須田さん(須田侑太郎)などいろいろな人たちが繋いできてくれたおかげで、僕が出られたとすごく感じていました。今は数年後のワールドカップを見据えてというより、日本のために、目の前のチャイニーズ・タイペイ戦にどう貢献できるかだけを考えています」

さらに原は、「まずは日本がアジアでちゃんと勝てることを証明し、ワールドカップ予選を勝ち切りたい。そこだけを考えています」と続けた。

2023年のワールドカップの時と比べ、原は成熟し、攻守で安定感の増した選手となった。今の彼が国際舞台でどんなプレーを披露してくれるのか見てみたいファンは多いはずだ。