グリズリーズ

ジャ・モラントの『反乱』から1勝7敗と絶不調

グリズリーズはシーズン序盤から混乱に陥っている。開幕6試合目のレイカーズ戦でエースのジャ・モラントが無気力プレーに終始し、チームから1試合の出場停止を受けた。それまで3勝2敗とまずまずのスタートを切っていたが、レイカーズ戦以降は1勝7敗と苦しい戦いが続いている。

モラントは出場停止が明けた後も本来のキレは戻っていない。しかし、モラントが及第点の仕事をしていても勝つ気配が感じられないのが今のグリズリーズの問題だ。

直近の3試合はサンダー、ニックス、セルティックスが相手だったが、強豪に食らい付いて勝機を見いだすという気迫は感じられなかった。モラントは立ち直りつつあってもチームが無気力プレーへと流れていく、そんな不穏な雰囲気がある。

現地11月12日のセルティックス戦では95-131で敗れた。前半で20点差を付けられ、後半も立て直せずに点差をどんどん広げられての大敗だった。試合後、ヘッドコーチのトゥオマス・イーサロは「試合に負けることはある。それもバスケの一部で、受け入れなければならない。しかし、自分たちのアイデンティティから離れ、勝利をもたらす要素を欠くような戦いぶりは、すぐに修正しなければならない」と強い口調で語った。

この試合はニックス戦の翌日に行われた連戦で、モラントが欠場していた。だが、敗因は別にあった。「オープンのシュートが決まらず、ゴール下でも苦戦した。一方でセルティックスのシュート精度は高いレベルにあった。それは仕方ない。そういう試合もある」とイーサロは言い、こう続けた。

「ガードにケガ人が多く、セルティックスを相手に苦戦は免れない。それは分かる。しかし、特にサイズがあるわけではないチームを相手にリバウンドで圧倒された。セカンドチャンスで40点近く取られた。ハーフコートで判断が遅れ、コミュニケーションを取る努力も怠り、ボールに追いつけない。極めて基本的な部分で我々は遅れをとったんだ」

「今日のセルティックスと我々を比較して、より速く走り、よりハードに戦い、より連携して戦ったのはセルティックスの方だった。私はコーチとして、この事実は受け入れがたいと感じる。選手全員に同じ感覚を持っていてもらいたい」

モラントは出場停止明けの試合後、「プレーを楽しむことはできているか」との質問に「ノー」と答えている。それはチームメートもそうだし、イーサロも同じだろう。同じ方向を向いて戦えない今のグリズリーズは、無気力なバスケをして連敗を重ねている。

4試合連続で敵地でのゲームという遠征中ではあるが、セルティックス戦の後は中2日を挟んでキャバリアーズ戦、また中2日を挟んでスパーズ戦と、シーズン中には滅多にない余裕のあるスケジュールとなっている。ここでチームを立て直すことができれば、グリズリーズはまだ戦える。

「簡単ではない状況だったのは理解している」と指揮官イーサロは言う。「主力にケガ人が出ていた状況で、強い相手との対戦が続いていた。だからこそ、これを原動力に変えなければならない。試合に負けることは問題ないが、勝つための努力を欠くような試合は決して繰り返してはいけない」