勝負どころでデュラント&シェングンが活躍し逆転勝利
現地11月9日のバックスvsロケッツは、第2クォーターに抜け出したバックスが最大14点のリードを築いた。しかし、ロケッツは第3クォーターにケビン・デュラントの15得点を含む32得点を挙げて反撃開始。ここはバックスが踏ん張ってリードを守り、第4クォーター序盤には再び突き放したのだが、勝負どころのラスト5分で上回ったのはロケッツだった。
デュラントがディフェンスを引き付け、他の選手が積極的にリムを攻めて猛追した。アルペラン・シェングン、アメン・トンプソン、ジャバリ・スミスJr.とポゼッションごとに異なる選手が攻めることでバックス守備陣に狙いを絞らせない。残り2分半にデュラントのアシストを受けたスミスJr.の3ポイントシュートで113-111と逆転に成功。その後も勢いを落とすことなく、ラスト4分半を22-7のランとして、最終スコア122-115で勝利した。
「試合が進むごとにロケッツの選手たちは判断が良くなり、ボールが回るようになった」とヤニス・アデトクンボは敗戦を振り返る。「途中までは僕らが上手く守り、相手にタフショットを強いていた。それが決まって2点を奪われても痛くなかった。ところが第4クォーターではボールを動かされ、オフボールのカットも増え、オープンな3ポイントシュートを打たれるようになった。相手のバスケIQが目立ったけど、結局のところ僕らもゲームプランを遂行していれば勝てた試合だったと思う。ロケッツのプレーを称賛すべきだけど、自分たちが勝負どころで賢くプレーできなかったところを反省しなければならない」
第4クォーターはロケッツが40得点、バックスが30得点を奪う壮絶な打ち合いとなった。それでもアデトクンボが完全に攻めの中心だったバックスに対し、6選手が5得点以上を挙げるロケッツの攻めのバランスの良さが光った。
それはオフェンスの起点を多くの選手が担うロケッツの強みでもあった。クロージングラインナップのポイントガードはリード・シェパードだったが、デュラントやシェングンがボールを運び、強烈なリムプロテクト力を持つアデトクンボをペイントエリアから引っ張り出してはパスでチャンスを作っていった。
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An ABSURD and-1 finish to seal Houston's 6th win in 7 games 🚀 pic.twitter.com/BIyOA5aSOF
— NBA (@NBA) November 9, 2025
ロケッツの3点リードで迎えた残り30秒、ディフェンスリバウンドを押さえたシェングンがバックコートからボールを運ぶ。シェングンは前から当たるアデトクンボのプレッシャーに動じることなく、逆に軽やかな動きで抜き去り、最後はカバーに飛んできたマイルズ・ターナーをスピンムーブでかわしてレイアップを決めた。アデトクンボとシェングンは今夏のユーロバスケットでやり合った間柄。当時は舌戦もあったものの遺恨は残っておらず、健全なライバル意識が好勝負を演出した。
「あの2人がお互いに意識し合っているのは間違いない」とロケッツ指揮官のイメイ・ユドカは言う。「アルペランはすべての試合で誰に対しても立ち向かおうとするが、ヤニスやルカ・ドンチッチといったヨーロッパの同胞との勝負では少し特別な気持ちが加わっているようだ。チームのベストプレーヤー同士のぶつかり合いは見応えがある。アルペランはそこに誇りを持っており、終盤にヤニスのマークを担当したがっていた。攻守両面で良い働きをしてくれたよ」
ユーロバスケットではしゃべりすぎたことが余計な舌戦を生んだだけに、シェングンはアデトクンボとのマッチアップについて多くを語ろうとはしなかった。「誰が相手だろうと気にしない。すべての試合に高いモチベーションを持って臨み、全部勝ちたいんだ。強い相手との対戦であれば、いつも以上の気合いが必要かもしれないけど、僕は特定の誰かと戦っているわけじゃない」
それでも2日前のスパーズ戦で接戦を落としたことをシェングンは挙げ、こう続けている。「あの負け方に腹を立てていて、同じような失敗を2試合連続でするわけにはいかなかった。クラッチタイムの勝負で勝ちたかった。今日はレベルの高い競争を繰り広げ、勝利を収めることができてうれしい。僕らはまだ新しいチームで、こうした試合をするたびに強くなっていく。もっと学び、もっと成長していくつもりだ」
