キャバリアーズ

ドノバン・ミッチェル依存にならないための武器を探す

昨シーズンはリーグNo.1の得点力を武器に、東カンファレンス首位でシーズンを終えたキャブス。エースのドノバン・ミッチェルでも31.4分とプレータイムシェアして選手個人の負担を軽減しながら、見事なチームオフェンスを構築しましたが、プレーオフになるとダリアス・ガーランドとエバン・モーブリーが続けて離脱し、ペイサーズに圧倒されての敗退となりました。

あまりにも呆気ない結末を受け、オフはロスターにメスを入れました。重要な活躍をしたシックスマンのタイ・ジェロームを残すことが難しいことから、アイザック・オコロとのトレードでロンゾ・ボールを獲得。層が薄かったインサイドにはラリー・ナンスJr.を呼び戻し、シュート力のあるトーマス・ブライアントを加えて再出発となります。ただ、いずれもケガの多い選手であり、特にロンゾがプレーしないとディフェンス面の不安が大きく、コンディション管理には細心の注意が求められます。

チームの戦い方に大きな変化はなく、オンボールでもオフボールでも様々な形で仕掛けを作り、スペースを空ける動きと埋める動きを繰り返します。適切なタイミングでパスを通し、リーグ2位の成功率となる38.3%の3ポイントシュートを中心にしたオフェンスは非常に止めにくく、しかもインサイドでも合わせのプレーからジャレット・アレンとモーブリーが高確率で押し込んできます。

それでもチームオフェンスが上手くいかない時には、ミッチェルが個人技で打開します。強引な突破、ステップバックの3ポイントシュートと得点パターンも多く、広くスペースを作ってのアイソレーションとダイナミックなパスでの打開を組み合わせるため、個人のマッチアップでしか対応できないのも止めにくい理由になっています。

しかし、ミッチェルの得点が少ない方がチームとしてはオフェンスが上手く構築できており、昨シーズンのプレーオフではそれができなかったからこそ、ミッチェル頼みが顕著になりました。チームとして次のステップに進むためには、異なるオフェンスパターンも用意しなければいけません。特にモーブリーがポストアップから展開する形は、シューター陣を生かすことにも繋がるため、シーズンを通して明確な武器へと仕上げたいところです。

内容が大きく向上した昨シーズンに満足して歩みを止めてしまうのか、それともさらなる進化を求めて積極的に自分たちを変えていけるのか、プレーオフで勝つためのメンタリティが問われるシーズンです。