
「チームの若さと才能、エネルギーに興奮している」
ウィザーズはジョン・ウォールとブラッドリー・ビールの時代が終わった後、新たなサイクルを築くことに失敗し、過去7シーズンでプレーオフ進出1回のみ、それも1勝を挙げただけで敗退している。良い素材を集めては手放すばかりで再建は進まず、2025-26シーズンの始動にあたっても期待値は高くない。
この苦しい時期、多くのベテランがチームを立て直そうとしたが、インパクトを残せた者はいない。みんなこのチームでは本来の力を発揮できず、短期間で出ていった。
そのウィザーズに来た新たなベテランが、ジョーダン・プールを軸とするトレードでペリカンズから加入したCJ・マッカラムだ。かつてはデイミアン・リラードとの二枚看板でトレイルブレイザーズを牽引したが、前所属のペリカンズでは目立った成果を残せていない。34歳になってキャリアの終わりが見え始めた今、ウィザーズでのプレーにモチベーションを見いだすのは難しいだろうと思われた。
しかし、シーズン始動の会見での彼は快活な笑顔で、自分がどれだけモチベーションに満ちているかを語った。「サマーリーグ期間のラスベガスで新たな仲間と会い、ここ数週間は一緒に練習してきた。コーチともフロントとも活発な意見交換ができているし、このチームの若さと才能、エネルギーに興奮している」
「このチームの若手は本当に練習熱心だ。それは僕が最も大切にしている姿勢でもある。努力は成長に繋がると僕は信じている。競争力は準備とマインドセットから生まれる。このチームにはその両方がある。メディアデーの今日、Gリーグも含めて20人の選手がここに来て、必死に練習している。僕は今日、7時45分にここに来た。僕より先に8人の選手が来ていて、8時には15人になり、8時半には全員が揃った」
NBAでの成功を夢見て努力する彼らに、彼は自分の経験を伝えている。「朝にここに来て、食事をとり、練習をする。良い習慣は日々のビタミン摂取やダイエットに似ている。すぐに結果は出ないかもしれないけど、何週間か続けるうちに変化に気付く。20歳の選手はいずれ25歳になる。そこで勝利の可能性が出てきた時に、準備ができているかどうか。サンダーの成功はまさにそれが形になった。良い習慣を20歳で作り上げ、25歳まで続ける。それがNBAでの成功の方程式であり、それを実践している若い選手と一緒に同じことをやるのは楽しいよ」
そして彼は、ただのメンターで終わるつもりはない。「シーズンに向けた準備として何をすればいいのか、僕は13回経験している。13回のうち9回は自分の起用法が変わって、それに合わせた調整をやった。今回は若いチームに加わるから、より運動能力とスピードを発揮するためのコンディションを作ってきた。僕は3月から長いオフに入ったから、例年以上に身体作りに時間を使うことができた。やるべきことは全部やり、成功のために必要な要素をすべて揃えた。あとは毎朝早くここに来て、ルーティーンをこなすだけ。調子は良いし、キャリア最高のシーズンにするつもりだ」
負けることに慣れたウィザーズ番の記者たちが呆気に取られる中、マッカラムはこう言って微笑んだ。「昨シーズン、ウィザーズ相手に50点取った時よりもずっと調子は良いと感じているよ」