昨オフ、チャンピオンを経験した琉球ゴールデンキングスを離れ、名古屋ダイヤモンドドルフィンズへ移籍した今村佳太。期待のシーズンとなったが、結果的にチームは35勝25敗の中地区4位に終わりチャンピオンシップ進出を逃した。悔しさがありながらも一定の手応えを得たシーズンを経て、前を向く今村に新シーズンの展望を聞いた。
「全員がもっと成長したい気持ちでやっている」
──今シーズンの目標を教えて下さい。
強いドルフィンズを見せて、優勝することです。IGアリーナをホームアリーナとして使わせてもらえるので、ホームでチャンピオンシップを戦いたいです。「結果を出すしかない」と全員が思っているシーズンですから、日本人選手は5月末からガッツリ始動しています。みんな開幕に向けて良いメンタルで動けているので、「絶対に優勝」という気持ちを前面に出していきたいです。
──7月末に行われた齋藤拓実選手とのトークイベントでも「今年はみんな動き出しが早い」と話していましたね。
昨シーズンは、自分たちがまったく求めていない結果に終わったので、みんな「早く試合がしたい」と言い合いながら、高いモチベーションで準備しています。あせりではなく、全員が全員「もっと成長したい」という気持ちでやってるので、すごく良い雰囲気ですね。みんながすごく開幕を楽しみにしているのを感じています。
──長くチームにいた中務敏宏選手が退団、菊池真人選手が引退し、20歳の小澤飛悠選手、23歳のホルツ ジェイク幸輝選手といった若手選手が入ってきました。ホームアリーナもIGアリーナに変わり、新しく歴史を作っていくシーズンにもなると思います。
本当にその通りで、変革のタイミングだと感じています。東野さん(東野智弥・代表取締役社長 兼 GM)も来てくれましたし、今までチームを支えてくださった選手が退団して、新たなカルチャーを作っていくシーズンです。僕自身、まだ在籍2シーズン目ですが、ドルフィンズを今まで支えてくれてた人がいることを絶対忘れてはいけないですし、残してくれた良いカルチャーを繋いでいくのが自分たちの役目だと思っています。そのためにも結果を出す責任があると感じていますし、今シーズンは特に重要な1年になります。
──今シーズンは中東泰斗選手とともに、歴史あるクラブのキャプテンを務めます。どのようなことを意識していますか?
そこまで大きく自分の役割は変わらないのかなと。自分はプレーでチームを引っ張っていく立場だと思っているので、より強い責任感を持って臨みたいです。オフコートでも、日々のバスケットに対する姿勢やチームメートに対する接し方を通じて士気を高めていきたいですね。
──同ポジションにアーロン・ヘンリー選手が加入しました。起点が増えて、今村選手もオフボールの動きで生きてくることが想像できます。それと同時に、ヘンリー選手との違いを作っていく必要も出てくるかと思います。
新しい選手が来ても、自分がチームを引っ張っていく立場であることは変わらないですし、誰よりも責任感を持ってプレーしたいです。適材適所で柔軟なプレーができることが自分の強みなので、強烈な個の力を持ったアーロン・ヘンリーと一緒にコートに立っても、しっかりバランスを取ってプレーしていきます。僕と拓実が一緒にコートに立てば起点が増えて、どこからでも得点できる強みが出せます。いろんな選手を生かせるので、すごく楽しみですし、自分も今までと違うスタイルを見せていけるかなと。
「IGアリーナから日本のバスケットをどんどん盛り上げていきます」
──進化した今村選手が見られそうですね。そのために強化していきたいポイントはありますか?
昨シーズンはアタックからのフィニッシュの確率があまり良くありませんでした。琉球にいた時は、ジャック・クーリーやアレックス・カークに助けられていた部分も多かったので、ドルフィンズでは特にリム周りは自分で決められる力をつけたいですね。ペイント内のシュート成功率は60%以上を目指していきます。あとはファールをもらって、フリースローの数を増やしていきたいです。トータルで言うと、状況判断の精度が上がれば、いろんな数字も上がってくると思います。
──開幕戦をIGアリーナで戦います。何にフォーカスして戦っていきたいですか?
アジアでも最大級のアリーナを僕たちが埋めていくシーズンになります。そのために何よりも勝つことが大事だと思っています。シーズン序盤はなかなか内容を突き詰められないかもしれませんが、どういう内容であっても勝つのが重要です。早めにチームとしての勝ち方や勝つメンタリティを定着させたいですね。絶対に勝ちたい。何が何でも勝ちたいです。
──その勝利のために何が必要になってきますか?
早い段階で自分たちのスタイルを確立して、それをやり続けられるかどうかがカギになります。細かいところだと、最近のBリーグではリバウンドが勝敗に大きく影響しています。昨シーズンはディフェンスリバウンドがあまり良くなかったので、今シーズンは課題にならないようにしたいですね。正直、オフェンスは心配していなくて、相手がどんなディフェンスをしてきても80点以上は取れるメンバーが揃っています。ディフェンスを固く守って、リバウンドを確実に獲ることにフォーカスして、トランジションに繋げられれば自分たちの試合に持ち込めます。
──最後に応援してくださっている方にメッセージをお願いします。
いつも本当にたくさんの応援をありがとうございます。名古屋ダイヤモンドルフィンズとして、IGアリーナを構えての初めてシーズンになりますが、優勝には皆さんの応援が必要になります。IGアリーナは本当に大きなアリーナなので、1人でも多くのお客さんに来ていただけると自分たちの力になります。そして、IGアリーナから日本のバスケットボールをどんどん盛り上げていきますので、ぜひ会場で応援していただけると嬉しいです。