相性の良いベインと再会「マジックでも再現したい」
マジックは今オフが始まって早々にデズモンド・ベイン獲得というトレードを成立させた。3ポイントシュートによるオフェンスの爆発力を欠いていたチームにとっては最善の補強だが、セカンドユニットのリーダーだったコール・アンソニーを交換要員として放出。その穴を埋めるために、フリーエージェントのタイアス・ジョーンズと1年700万ドル(約8億4000万円)の契約をまとめた。
2015年のNBAドラフト1巡目24位指名でティンバーウルブズに加入したジョーンズは、5年目に移籍したグリズリーズで大きく飛躍した。ジャ・モラントに次ぐポイントガードの2番手という役割で、自らアグレッシブに仕掛けるモラントとは対照的に、チームでボールを動かして効率の良いシュートチャンスを生み出す司令塔として、グリズリーズのバスケにメリハリをもたらした。2年前にクリスタプス・ポルジンギスとマーカス・スマートを中心としたトレードでウィザーズに移籍し、昨シーズンはフリーエージェントでサンズと契約。サンズでは得点力のあるタレントの持ち味を引き出すプレーメークが大きく期待されたが、チームが噛み合わない中でジョーンズも低調なパフォーマンスに終始した。
再建中のウィザーズでは活躍しても注目されず、サンズでは期待外れに終わったジョーンズは難しい立場にあったが、マジックは彼の実力を評価してチームに迎え入れた。「若くて勢いがあり、一歩ずつ着実に前進しているこのチームの一員になれてうれしい。チームがさらに上を目指すための力になりたい」とジョーンズは言う。
グリズリーズ時代に相性の良かったベインとは再びチームメートになる。「僕とデズ(ベイン)は仲が良くて、去年の彼の結婚式に参列したぐらいだ。僕らの妻たちも仲が良い。彼もここへの移籍を喜んでいて、2人でどのようにチームに貢献するか話し合った。グリズリーズでの僕らは互いの良さを引き出していたと思う。それをマジックでも再現したいし、チーム全体に広げていきたい」
NBAキャリア11年目となる彼はマジックに「チームに落ち着きを与える声」を与えられると話す。「自分が前面に出て目立つんじゃなく、このチームですでに構築されているものに貢献したい。マジックはどんな段階も飛ばすことなく、着実に成長してプレーオフ進出のレベルまで来た。だから僕はコートの内外で声を出し、そこに自分のプレーも加えてチームに貢献したい」
サンズは彼にベテラン最低保証額の300万ドル(約4億5000万円)しか与えなかった。ない袖は振れぬチーム事情があるとは言え、そのサンズで結果を出せなかったにもかかわらず700万ドルをオファーしたことは、マジックの彼への評価の高さを表している。
「チームにとっても僕にとっても、これほど良いタイミングはない。すべてが順調に進んでいるチームの一員として、自分の力を発揮できることに興奮しているよ」