「センターコートに立つ時には自分の100%を出す」

岡山インターハイ2日目、福岡大学附属大濠(福岡県)が新田(愛媛県)と対戦。序盤から攻守に圧倒して第1クォーターで31-8と大量リードを奪い、その後も手を緩めることなく点差を広げて135-39で勝利した。

大濠は昨年のウインターカップ優勝に貢献した上級生たちが卒業したが、勝又絆や榎木璃旺、サントス・マノエル・ハジメなど下級生で試合に出ていたメンバーが多数いる。さらには中学バスケで『無双』した白谷柱誠ジャックが加わりタレント力は落ちていない。

ただし、今学期に入ってから年代別の代表活動などが重なり、チームとして練習できた日が極めて少ない異例の状態。それだけにインターハイ初戦の快勝はホッとするところだが、片峯聡太コーチは「チームとしてはまだまだ。だからこそインターハイの期間中に、今日より明日、明日より明後日と成長して、センターコートに立つまでにチームを完成させたい」と語る。

期待のジャックはチームに合流したのが3日前で、コンディションも十分でないためにプレータイムはチームで最も短い9分、唯一の無得点に終わった。それでも新田の『走るバスケ』に真っ向勝負を挑む大濠で、194cmのサイズを持つ彼もディフェンスからブレイクへと走ってのパスで4アシストを記録。『大物の片鱗』を感じさせた。

「定期的に代表活動があって、3日間、次は5日間、その次は2週間いないみたいな感じでチームとしての活動が途切れ途切れになっています。学校にもあまり顔を出せていません」

その彼が今フォーカスするのは、ディフェンスのチームルールをしっかり守ること。「まずは自分がチームに早くアジャストすること。アジャストした上で自分の成長があると思います」

チームの一員としてのプレーが最優先で、それを納得いくレベルまで上げた後には自分の良さを出していけるとジャックは言う。「今日は全くやりませんでしたが、ドライブや3ポイントシュートは自分の持ち味です。アジャストできればオフェンス面のプレーも出していって、そこでクオリティを一段階上げられると思います」

初戦は自分とチームのリズムを噛み合わせる機会だった。ここから次第に調子を上げていけるとジャックは自信を持っている。「ケガもあったので様子を見ながらですが、それでも自分はもっとできると思っています。センターコートに立つ時には自分の100%を出せるようにしたいです」