超高確率な3ポイントシュートで大量リード
アダストリアみとアリーナで開催された国際強化試合『三井不動産カップ』、ベルギーとの第1戦。女子日本代表はそれぞれが持ち味を発揮し、トム・ホーバスヘッドコーチが目指す速いバスケットを体現して、91-75で勝利を手にした。
日本の先発は本橋菜子、本川紗奈生、宮澤夕貴、長岡萌映子、髙田真希の5人。序盤から互いに高確率で3ポイントシュートを決め合う乱打戦となったが、トランジションバスケで違いを生み出した日本が先行する。
1番から5番までどの選手も3ポイントシュートを打てる日本は本橋、髙田、宮澤が3ポイントシュートを沈める。本川はスピードのミスマッチとなった相手センターを相手に、得意のドライブでアンクルブレイクしてレイアップを決める。途中出場の町田瑠唯もディフェンスを収縮させて味方のシュートをお膳立てした。
その中でも強烈なインパクトを残したのが林咲希だった。町田とともに途中交代するやいなや3ポイントシュートを沈めると、トランジションから、正しいポジション取りをしてのキャッチ&シュートと3本の3ポイントシュートをすべて沈めた。
ディフェンスのローテーションミスからノーマークで3ポイントシュートを許し、パワープレーに苦しむ場面もあったが、破壊力抜群のオフェンスで上回って第1クォーターで33-25とリード。
第2クォーターも日本はディフェンスで優位を固める。ボールマンへのプレッシャーを高め、ボール回しを停滞させると、連続で24秒バイオレーションを誘発した。3ポイントシュートとトランジションで、常にベルギーの先手を取り、前半を56-38で折り返す。
トムヘッドコーチ「今日はウチの速さが効いた」
後半に入り、本川のドライブで点差を20に乗せた日本。その後、シュートの成功率は落ちていったが、ディフェンスのインテンシティは落ちず、日本はセーフティーリードを保った。
だが最終クォーターに入ってフィニッシュが決まらなくなり、オフェンスで崩れたリズムがディフェンスにも影響し、外のマークが遅れるなど失点がかさんだ。
それでも、林が再び終盤に違いを生み出し、連続3ポイントシュートで流れを切った日本は、大量リードを守り切った形でベルギーを下した。
快勝した日本のトムヘッドコーチは「今日は本当に良かった」と、試合を総括した。
「長い間ずっと練習をやっていて、練習中にディフェンスがオフェンスに勝っているから、オフェンスで良い部分はあまり出なかった。ベルギーはウチのプレーがを分からず、今日はウチの速さが効いた。どれだけ合宿やったか分からないし、スタメンも3人ぐらいいないけど、ベルギーはやっぱり力のあるチーム。ウチの出だしは良かったけど、ベルギーも良かった。それでもウチのバスケをずっとやれたのは良かった」
また、最終クォーターに失速したが、「第4クォーターは経験のない選手たちがいるから我慢した。それでも最後の5分は良かった。若い選手にすごく良い経験になったと思う。トータルで考えたらすごく良かったです」と、若手選手に経験を積ませるミッションも達成し、満足気な表情を浮かべた。
キャプテンの髙田は「初選出された選手も多い中で、今シーズン初めての試合で、ベルギーという強いチームとやるのに不安もありました」との思いがあったことを明かしたが、「フタを開けてみると出る選手がみんなアグレッシブに、今まで自分たちがやってきたことを出せたと思います」との手ごたえを口にした。
若手選手に経験を積ませつつ、素晴らしい内容で初戦をモノにした日本。6月2日の第2戦にも勝利し、最高の形で強化試合を終えたいところだ。