杉浦佑成

3×3男子日本代表はBリーグを主戦場とする4人でアジアカップに臨んだ。杉浦佑成はサンロッカーズ渋谷に所属し、5人制バスケットで活動している。今年から3×3を始め、今大会が初めての3×3での国際大会となった。中国から帰国したばかりの杉浦に5人制との違いやアジアカップの感想について話を聞いた。

3×3の魅力は「良い意味で悪い意味でも、自由」

──アジアカップの感想を教えてください。

初めての国際大会で、まだまだ3×3というものを理解しきれていない、というのを感じた大会でした。

──3×3は今年から始めたということですが、5人制とはどういうところが違いますか?

一番の違いはコートにいる人間が少ないので、インサイドを攻められた時にカバーに寄ってしまうと1人が完全にノーマークになってしまうところですね。あとは、展開が速いので相手のペースになった時に、自分たちが焦ってしまって。そこは5人制だとアウトオブバウンズとかで時間があるんですが、3×3は本当に少なくて。コートで指示をするコーチもいないし、思っていた以上に自分たちで解決しないといけないことがすごく大変でした。

──客観的にゲームを見ている人はベンチにいる選手1人のみですが、その選手が状況をみて、タイムアウトなどの指示をしているのですか?

そうですね。プレーしている人間は本当に余裕がなくて、タイムアウトを取ることも、頭に浮かばないぐらいキツかったです。本当はタイムアウトとかもベンチにいる選手がやらないといけないんですけど、ベンチにいる時間も短いですし、身体がキツイのでそこまで頭が回らないぐらいハードでした。

──初戦のヨルダン戦を落としてしまいましたが、内容としては自分たちのターンオーバーなどからの失点が相次ぎ、勝てる試合だったのにもったいないな、という印象がありました。

ヨルダン戦も、相手のペースになった時に立て直すことができずに終わってしまった感じです。コートとかも全然違って、そういうところにも上手く順応しきれなかったのが悔しいですね。

──会場ごとにコートの感覚や、ボールの跳ね具合とかも違うのですか?

ボールに関しては今回は特に感じなかったんですが、会場はそれぞれ結構違うように感じます。実際はどうなのかは分からないんですが、個人的な感覚としてはなんか違うなと思いましたね。

杉浦佑成

「自分たちでどうにかして修正するしかない」

──今までは3×3の大変なところの話が多かったですが、逆に5人制とは違う楽しさや魅力はありますか?

良い意味で悪い意味でも、自由ということが大きいです。

──5人制ではチームルールがとても大切であると耳にしますが、3×3ではチームルールとかはそんなにはないんですか?

チームルールはありますけど、どうしてもショットクロックが12秒と短いので。フォーメーションをやる中で、一つ崩れたらその人の判断に任せられることが大きいかなと思います。あとはコーチがいないのは、やりやすくもあるし、やりにくくもあります(笑)。客観的な指示をくれる人がいないので、プレーをしていても、今どうなんだろう、ちょっとヤバイよなぁと思っても、自分たちでどうにかして修正するしかないので。

逆にコーチがいないから、ミスをしてもすぐに交代させられることがないのは良いですね。自分のミスをすぐにプレーで取り戻しに行けるので(笑)。あとは、3人しかいないので必ず全員ボールに絡むじゃないですか。5人制だと結構2人とか3人で完結しちゃう場合があったりするので、そういうところは楽しいです。

──5人制の時は積極的にリングにアタックできずに悩んだ時期もあったと以前聞きましたが、3×3だと積極的にアタックできているなという手応えはありますか?

やっぱり5人制に比べるとスペースが広いので、リングに行きやすい感覚はあります。

──最後に今後の目標を教えてください。

これからも3×3も続けて、東京オリンピックを目指しながらも5人制と両立していきたいです。