藤髙宗一郎

3×3男子日本代表はBリーグを主戦場とする4人でアジアカップに臨んだ。大阪エヴェッサに所属する藤髙宗一郎は国内でもトップクラスのアスリート能力を誇る。だが、世界を相手にすると、上には上がいる。特にベスト8で完敗したオーストラリアとの戦いで、世界との差を実感したという藤髙に話を聞いた。

「シンプルにオーストラリアが強くて……」

──初めての3×3の国際大会でしたが、予選ではポストプレーから得点を重ねるなど、自身の強みを出せていたのではないでしょうか?

そうですね。初戦は相手のサイズが小さかったので、そこを突くことができました。でも、オーストラリア戦は、みんなサイズがでかくて上手く、なかなか自分のプレーができませんでした。

──日本はオーストラリアに14-21で敗れ、ベスト8で敗退となりました。何が難しかったですか?

1点よりも2点を取りに行かないといけないというマインドになりすぎてしまいました。スイッチしてミスマッチができているのに、1点じゃ勝てないというマインドになってしまって、そのミスマッチにも気づけなかったです。そこは自分のバスケIQのなさが目立ってしまいました。

試合前はこうやって戦うという戦術があったんですけど、いざ試合になると焦ってしまい、自分たちのフォーメーションやプレーができず、パスを回してロング2ポイントや、苦し紛れのシュートを打たされてしまったという印象です。そこでもっと冷静になっていればと今は思います。

──こうした焦りというのは、オーストラリアの実力が思っていた以上に高かったことから生まれたのでしょうか?

シンプルにオーストラリアが強くて……。言ってしまえば、酸欠状態になっていました。

──ただでさえ3×3はコンタクトが5人制よりも激しいのに、オーストラリア戦ではフィジカルの差も相当あって、体力の消耗具合が激しそうでしたね。

やっぱり、フィジカルで押し込まれた部分はあります。オーストラリア戦では、リバウンドとかディフェンスの部分をもっとハードにやらないといけなかったです。結局、オフェンスリバウンドを何本も取られてしまって、セカンドチャンスを与えてしまう場面が結構あったので。そこは今後の課題かなと。

藤髙宗一郎

「女子のプレーを見ていて参考になりました」

──オーストラリアは5戦すべてでノックアウト勝利で優勝し、決勝のモンゴル戦は21-9と圧倒していました。ミスが多く、個で苦戦したにもかかわらず14-21というスコアは、戦えるという手応えもつかめたのではないでしょうか?

そうですね、正直、国内では個々の能力でやれてしまう部分はあるので、今回世界と戦ったことで自分たちがどういうことをしないといけないというのは見えました。世界と戦うためには個ではなくて、チームでどう戦うかですね。女子のプレーを見ていて参考になりましたし、そういうところをもっとチームとして磨いていけば戦えるチャンスはあると感じました。今後、その部分をどう鍛え上げていくのかが課題になってきますね。

──世界を知って現在地が明確になったという意味では、有意義な大会だったのでは?

去年の大会よりも上にいこうと話していて、もちろんメダルは狙いにいっていたので、そこは悔しいです。オーストラリアなどアジア圏内ですけど、世界のレベルを体感できたのは良かったです。オリンピックに向けてそういうチームと渡り合えないと、メダルには届かないと思うので。課題を知ることができましたし、良い経験になりました。

チーム(大阪エヴェッサ)には5人制を頑張ってほしいと言われますが、3×3も応援してくれているので、個人的には、3×3でオリンピックを目指したい気持ちです。