ロンゾ・ボール

ロンゾは厄介な膝のケガを克服、自信を取り戻す

ブルズとキャバリアーズの間で、ロンゾ・ボールとアイザック・オコロのトレードが合意に至ったと『ESPN』が報じた。

キャブズは先発ポイントガードのダリアス・ガーランドが、プレーオフで左足親指のケガを抱えて本来のプレーを見せられないまま敗退。シーズン終了後も痛みが引かずに手術をすることになり、来シーズン開幕に間に合うかどうかは微妙な情勢となっている。

ガーランドとドノバン・ミッチェルの強力バックコートを擁しているが、シックスマンのタイ・ジェロームは今オフにフリーエージェントとなり、格安だった2年500万ドル(約7億5000万円)から大幅な昇給となり、引き留められない可能性が高い。ロンゾは2年2000万ドル(約30億円)の契約を残すが、2年目はチームオプションとなっており、サラリーキャップにおいてリスクの低い控えガードとして活用できる。

ロンゾは厄介な膝のケガに悩まされたが、3度の手術を経て戦線復帰を果たし、昨シーズンは35試合に出場した。今後もコンディションの懸念は残るが、3月以降にプレーできなかったのは手首のケガで、膝に問題が出なかったことでロンゾはプレーへの自信を取り戻している。ガーランドともミッチェルとも全く異なるタイプのプレーメーカーであるロンゾが全盛期のパフォーマンスを取り戻せば、単なるアクセントではなく強力なオプションとなるだろう。

アイザック・オコロは2020年のNBAドラフト1巡目5位で指名されてから、キャブズのヤングコアの一員として5シーズンを過ごした。攻守にエネルギッシュにプレーする『3&D』だが、同じタイプの選手が増えた今シーズンは55試合出場、平均プレータイム19.1のどちらもキャリア最低の数字に落ち込んでいた。

ブルズでは24歳というオコロの若さが再建のタイムラインに合うという意味で魅力的だし、少なくともペリメーターディフェンスは強化される。さらに出場機会を得ることで平均9.4得点、3ポイントシュート成功率39.1%を記録した2023-24シーズンのパフォーマンスを取り戻せば、オフェンス面でも大きな戦力となる。

もっとも、ブルズは開幕ロスターの形がいまだ全く見えない。ジョシュ・ギディーとテイレン・ホートン・タッカー、トレ・ジョーンズがフリーエージェントとなり、ロンゾを放出した今、前体制の最後の選手となったニコラ・ブーチェビッチも契約を1年残してトレードが濃厚だ。ここから移籍市場で大きく動くことになるだろう。