
「もちろん、この負け方には納得していない」
キャバリアーズのダリアス・ガーランドは、レギュラーシーズンが終盤に差し掛かる現地3月23日のジャズ戦で左足親指の付け根に痛みを感じた。加速するために踏み込むと痛みが出る。大きなケガではなく、自然に治ると見られていたが、それは間違いだった。
そこからレギュラーシーズンの残り11試合のうち9試合に出場してプレーオフを迎えたガーランドは、ヒートとのファーストラウンド第2戦でケガを再発させてしまう。ヒートとの残り2試合、ペイサーズとのカンファレンスファイナル最初の2試合を欠場し、第3戦から復帰したが、そのプレーはいつもの精彩を欠いた。
敗退が決まった後、彼は憔悴した表情でこう語っている。「指の間にサポーターを入れたり、いろんなことを試しながら試合に出ようとした。試合に勝ちたかったし、シリーズに勝ちたかった。そのために全力を尽くしたけど、本来のプレーはできなかった」
「僕らにはまだ成長の余地がある。もちろん、この負け方には納得していない。今はつらいけど、このオフは来シーズンに向けたトレーニングに励むよ。努力することを楽しみ、来シーズンにどんな成果が出るかを楽しみにしたい」
しかし、問題はプレーオフでの敗退では終わらなかった。シーズン終了から1カ月近くが過ぎても痛みは引かず、手術が必要だと判断された。ここから4カ月から5カ月は練習が制限され、自分のプレーのレベルを上げるための練習というよりは、元の自分に戻るためのリハビリに夏を費やすことになる。
今シーズンのキャブズは64勝を挙げて、前年王者セルティックスを抑えて東カンファレンスを制した。ガーランドはキャリア最多の75試合に出場して、フィールドゴール成功率47.2%で20.6得点、6.7アシストを記録して、ドノバン・ミッチェルとのコンビを機能させ、2度目のオールスター選出も果たした。
しかし、終わりが悪ければそれまでの印象は覆されてしまう。ミッチェルがプレーオフで鬼気迫るパフォーマンスを見せた一方で、ガーランドは不発に終わり、「チームに必要な戦力なのか」という疑念の視線を感じながら、居心地の悪い夏を過ごすことになる。