15分のプレーで10得点「膝の痛みは全く感じなかった」
今シーズンのブルズのテーマは、ペースを上げてスピード重視のバスケをすることだ。デマー・デローザンの退団による得点力ダウンは痛いが、彼のアイソレーションが中心では攻めのスピードは上がらない。新加入のジョシュ・ギディーがコービー・ホワイトとバックコートを組み、スピーディーなバスケをこれから突き詰めていくことになる。
ロンゾ・ボールはそのスタイルをさらに強化する存在になりそうだ。3度の手術を繰り返して長期欠場が続いていた彼は、トレーニングキャンプ序盤は一部の練習をパスしていたが、様々なテストを重ねながら調子を上げて、先週ついにフルコンタクトで5対5のスクリメージをこなした。
そして現地10月16日、ホームでのティンバーウルブズ戦で、ロンゾはついに復帰を果たした。2022年1月以来の実戦で、第1クォーター途中に彼の名前がコールされると、ブルズのファンは大歓声で彼をコートに迎え入れた。
ブルズは長らく低迷が続いているが、2021年夏にロンゾが加入してから戦線離脱するまでの数か月、彼のプレーメークからメリハリの利いた鮮やかなオフェンスで快進撃を見せていたことをファンは忘れていない。そして1000日以上の間、リハビリという孤独な戦いを彼が続けてきたことを理解していた。ロンゾがプレーを決めるたびにファンは大盛り上がりで、彼の背中を押した。
15分のプレーで10得点1アシスト。優れたコートビジョンを示し、NBAでデビューした当初は苦手だった3ポイントシュートを2本決めた。プレータイムは短く、感覚を取り戻しながらのプレーではあったが、「膝の痛みは全く感じなかった」という試合後の言葉が一番の収穫だ。
「まずは良いスタートだった。この調子で積み重ねていきたい。金曜の試合にも出て、今日と同じように努力するよ」
本人は長いブランクの影響をそれほど感じていない。「本能的なプレーは忘れないものだよ」と語るその表情は明るく、こう続けた。
「正直、あまり不安はなかった。復帰を目指して長い道のりをここまでやって来たんだ。3回目の手術を受けた後、『復帰まで18か月』と聞かされた時は頭がおかしくなるかと思った。大変だったけど、すべて報われた気がするよ。コートに立つ日をずっと待ち望んでいた。それが実現して大好きなバスケができるのは最高にうれしいよ」