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ウォリアーズのスイッチを入れたイグダーラとマギー

ホームで連勝スタートを切ったウォリアーズが、トレイルブレイザーズとの第3戦に臨んだ。復帰が期待されたケビン・デュラントの出場は実現せず、ベンチから戦況を眺めることに。ショーン・リビングストン(右手人差し指の捻挫)とマット・バーンズ(右足首の捻挫)も離脱しており台所事情が苦しい上に、ヘッドコーチのスティーブ・カーまで体調不良で宿舎で療養することになった。

戦力を欠く上に敵地での試合、スパーズを相手に2敗からタイに持ち込んだグリズリーズ、ロケッツに一矢報いたサンダー、そして今日ウィザーズに完勝したホークスのように、ホームに戻って格上のチームを倒すシナリオをブレイザーズも描いていたに違いない。

ブレイザーズは序盤から攻守に積極的なプレーでウォリアーズを上回り、右足腓骨の骨折から復帰したユスフ・ヌルキッチもゴール下で存在感を発揮。デイミアン・リラードが攻撃をリードし、CJ・マッカラムが高確率で得点を挙げて、第1クォーターを37-30、第2クォーターを30-24と打ち勝った。

後半に入ってもブレイザーズの勢いは止まらず、残り7分でCJ・マッカラムがこの試合で6本中5本目となる3ポイントシュートを決めて80-64とリードを広げる。

しかし、ここからウォリアーズは真価を発揮。なかなか入らなかったスイッチを入れたのはアンドレ・イグダーラとジャベール・マギーだった。インサイドを固めることでイージーシュートを打たせずブレイザーズの得点をまずは止める。そしてスピード一辺倒だった攻めにイグダーラがクイックネスを生かして変化を付け、ブレイザーズの守備の狙いどころを外したことで、相手は思い切った守備ができなくなり、ウォリアーズに流れが傾いた。

マギーはルーズボールに飛び込み、ショットブロックの脅威で相手のシュート精度を狂わせ、攻めに回ればアリウープを連発してチームに勢いを与えた。

怒涛のランで試合をひっくり返した後は盤石の試合運び

圧巻だったのは第3クォーター残り5分を切ったところでのプレー。ピック&ロールからスピードに乗ろうとしたリラードにマギーが身体を投げ出してプレッシャーを与え、ここではボールを奪えなかったもののモーリス・ハークレスが狙ったゴール下を素早く戻したマギーがブロック。ここからステフィン・カリーが素早く攻め上がり、ビハインド・ザ・バックでゴール下のイグダーラへボールを預ける。素早い展開に遅れたブレイザーズの選手は5人全員がイグダーラのジャンプシュートを止めに行くが、イグダーラは落ち着いて右コーナーのカリーへ、カリーからクレイ・トンプソンへと展開し、3ポイントシュートを沈めた。最初にマギーが身体を投げ出してから、トンプソンのシュートがネットに『さざなみ』を立てるまでわずか15秒、まさに圧巻のプレーだった。

さらにはディフェンスリバウンドから走ったイグダーラのダンクで追い付き、ドレイモンド・グリーンのパスからマギーのアリウープで85-83と逆転。CJ・マッカラムの3ポイントシュートが決まってから6分弱で17-3の怒涛のランで試合をひっくり返した。

アル・ファルーク・アミヌの3ポイントシュートですぐさま逆転されるも、その直後にグリーンからマギーのアリウープが再び決まって逆転。

ここからシーソーゲームに突入するが、第4クォーターの半分がすぎたところでブレイザーズのチームファウルが5つに。カリーがこれを2つ沈めて102-98とすると、イグダーラ、トンプソン、再びイグダーラと3ポゼッション連続でアーリーオフェンスを得点につなげて108-100。
残り4分と時間は十分残されていたが、ウォリアーズは攻守に抜け目のない試合運びで乗り切り、119-113で勝利した。

31得点4アシストと大暴れしたリラードだが勝利には届かず。第4クォーターでリラードは残り1分を切って敗色濃厚となった後の5得点のみ。CJ・マッカラムも5得点と勝負どころで劣勢を覆すことができなかった。これで3連敗と厳しい状況に追い込まれたが、リラードは「まだ終わっちゃいない。みんなも知っている通り、僕は楽観的な人間だし、決してあきらめないんだ」と巻き返しを違う。