
「しっかりと自分たちのバスケをやれれば勝てる」
三遠ネオフェニックスは、琉球ゴールデンキングスとのゲーム1を87-85と競り勝ち、ゲーム2も残り5秒で2点リードと、初のファイナル進出まで目前に迫りながら追い付かれ、ダブルオーバータイムの末に惜敗を喫した。
三遠はゲーム1でヤンテ・メイテンが膝を負傷し、ゲーム2で強行出場するもプレータイムを制限せざるを得ない状態。さらにエースの佐々木隆成がゲーム2の序盤に左足アキレス腱断裂の重傷を負った。
三遠は文字通り、満身創痍の状態で今日のゲーム3に臨む。佐々木の離脱を受け、大浦颯太はオフェンスの舵取り役を一手に担うことになる。ゲーム2でも40分出場とフル稼働しているが、ゲーム3も同じく、彼が試合の大半でオフェンスをコントロールするだろう。
「すごくタフな試合で、いろいろな過程はありますが、リバウンドがすべてだった。それに尽きます」
大浦はゲーム2をこう総括する。ジャック・クーリーを筆頭としたリーグ随一のリバウンド力を誇る琉球に対し、「全員でリバウンドを取りに行くしかない。自分たちはチームで戦うので、チームで助け合いながらやっていきたいです」と続ける。
故障者が続く現状を「レギュラーシーズン60試合はほとんどケガ人がいなかったので、難しいです」と率直な気持ちを吐露するが、同時に満身創痍でも自分たちが積み上げてきたものへの揺るがない自信を強調する。
「ケガを言い訳にするのではなく、チームで戦っていかないといけない。明日もタフになると思いますが、しっかりと自分たちのバスケをやれれば勝てると思うので最後まで戦い抜きたいです」

「その時々で一番良い選択ができれば」
大浦の武器は3ポイントラインの数メートル後方からでも難なく決める3ポイントシュートであり、相手も徹底して彼の3ポイントシュートを抑えにきている。思うように外角シュートを打てない状況にストレスを溜めてもおかしくないが、大浦は密着マークしてくる相手ディフェンスの隙を突いてゴール下に仕掛けてのレイアップ、効果的なパスを連発。その結果、ゲーム2では16得点に加え、9アシストも記録した。
3ポイントシュートはタフな状況で打たざるを得ない場面ばかりで、6本中1本成功に留まったが、成功した1本は第4クォーター終盤に琉球ディフェンスの気の緩みからノーマークになった瞬間に決め切っている。ゲーム3でも引き続き、琉球は他の選手へのマークが緩くなったとしても大浦の3ポイントシュートを徹底的に抑えてくるだろう。その中で大浦は、次のようなスタンスで大一番に臨む。
「タフなシュートを自分が決められるのが一番良いです。ただ、自分がシュートを決められなくても、チームメートが決めればいい。僕が何十点と取らなくてもチームが勝てばそれでいいです。僕にディフェンスが2人付いて他の選手がノーマークだったらパスを出しますし、今日も信頼して吉井裕鷹やデイビッド・ダジンスキーにパスを出して、彼らが決めてくれました」
このように大浦は、「その時々で一番良い選択ができればと思います」と、チームファーストを重視する。だが、同時に中心選手として、「最後は自分がやろうと思っています」とここ一番のプレッシャーのかかる状況において、シュートにせよパスにせよ自分が起点となってチームの命運を担う覚悟を持っている。
ゲーム3も激しい激闘となることが予想される。その中で、三遠が勝利をつかみ取るには大浦の爆発力と決定力が必要となってくる。