ジャック・クーリー

「最後までハードに戦い抜いたことを誇りに思います」

5月18日、琉球ゴールデンキングス三遠ネオフェニックスとのチャンピオンシップセミファイナル第2戦を行い、ダブルオーバータイムの激闘を100-98で制した。前日の雪辱を果たすとともに、勝者がファイナル進出となる明日の第3戦へと持ち込んだ。

前半、琉球は日本人選手のドライブも含めインサイドへの分厚いアタックでフリースローを数多く獲得。さらに激しい寄せで、三遠の武器である3ポイントシュートを気分良く打たせないことでリードを奪う。だが、後半に入るとオフェンスリバウンドを許す機会が増え、堅守でリズムを作れなくなる。そして三遠にパスをテンポ良く回され3ポイントシュートを決められてしまう。この結果、第3クォーター中盤には2桁あったリードを徐々に失い、第4クォーターに終盤には逆転を許す、

2点を追う残り5秒からのオフェンス、逆転を狙ったヴィック・ローの3ポイントシュートは外れるが、そのロングリバウンドを松脇圭志がそのまま片手でつかんでシュートする劇的弾でオーバータイムに持ち込む。延長でも一進一退の攻防が続くが、最後はリバウンドを制した琉球が勝利した。

琉球が勝利した最大の要因は、ジャック・クーリーとアレックス・カークの攻守に渡る献身的なプレーだ。前日、琉球は三遠の前から当たるプレスディフェンスによってボール運びで苦戦。対策として今日は、ビッグマンが自陣深くからスクリーンをかけることで、プレッシャーを軽減させた。これによってミスが大きく減ったが、仕事が増える2人は消耗が激しくなる。さらに相手のピック&ロールに下がって対応するのではなく、ハードショウで前に出て重圧をかけ続けた。

桶谷大ヘッドコーチも「ジャックもアレックスも相当しんどい仕事をやり遂げてくれました」と称えるハードワークを最後まで遂行した。特にクーリーは45分のプレータイムで26得点、9本のオフェンスリバウンドを含む16リバウンド6スティールと攻守に大暴れ。さらにダブルオーバータイムでは、2度に渡って外れたフリースローのリバウンドをもぎとって得点に繋げ、『リバウンドを制するものがゲームを制す』を体現した。

まず、クーリーは次のように試合を振り返る。「両チームとも素晴らしいプレーでした。今日の僕たちは、三遠のような素晴らしいチームに対して必要なプレーをできました。みんな最後までハードに戦い抜いたことを誇りに思います。明日もフィジカルで激しい戦いとなるでしょう。そしてハイレベルなバスケットボールの戦いの一員になれていることにハッピーです」

ジャック・クーリー

「簡単にはギブアップしないメンタリティで臨みました」

ダブルオーバータイムで琉球が上回るカギとなり、琉球ファン以外には理不尽ささえ感じさせる圧巻のリバウンドに関しては「リバウンドは僕の情熱であり、僕が最も得意とするものです」とプライドを語る。

「今日しっかりと取れたことは良かったです。自分で外したフリースローのリバウンドを取れましたし、小野寺祥太が2本目を外した時も取れましたし、リバウンドで貢献できたことはうれしいです」

明日で3連戦の3試合目と過酷なスケジュールだが、クーリーは「僕は34歳で、どのようにリカバリーをすればいいのか分かっています」と、引き続きのフル稼働を誓う。「水分、食事をしっかり摂って22時には寝ます。最後になるかもしれない試合で、疲れたとか言っていられません。今までのルーティーンを守って、19時10分のティップオフに万全の状態で臨めるように準備をします」

そして明日に向けての決意をこう語る。「今シーズン、僕たちはプレシーズン、EASL、天皇杯も含めておそらく75試合くらいプレーしています。長い間、できる限りハードにプレーきたのはこのチャンピオンシップで勝ち上がるためです。簡単にはギブアップしないメンタリティで今日の試合は臨みましたし、明日も同じです。明日はすべてのポゼッションで高い集中力を保つつもりでいきます」

「高いインテンシティーで戦えることを楽しみにしています。40分、もしかしたら50分かもしれませんが、どんな状況になってもベストを尽くし、やるべきことを続けていきます」

どちらも満身創痍で迎えるゲーム3、クーリーが今日と同じパワー満点のプレーでゴール下を支配できれば自然と結果はついてくる。