Bリーグファイナル2019

両チームともに『リベンジ』の気持ちでファイナルへ

アルバルク東京は昨シーズンの王者で、勝てばBリーグ初の連覇。千葉ジェッツは今年に入ってすぐに行われた天皇杯で3連覇しており、今日勝てば2冠。それでも、どちらも『リベンジ』の気持ちで今日のBリーグファイナルを迎える。

昨年のファイナルも同じカード。千葉は予想外の大敗を喫した。富樫勇樹は「同じ相手、同じ会場でこうやってまたファイナルで戦えることがすごくうれしい。去年の悔しさは全員が覚えているので、今年こそ」と意気込む。石井講祐もまた「去年ファイナルで負けてから、このファイナルでもう一回勝つために、それからスタートしてきた。いよいよだという気持ち」と語る。

一方のアルバルク東京はレギュラーシーズンは中地区3位で、ワイルドカードでのチャンピオンシップ進出。前年王者としてではなく、伸び悩んだレギュラーシーズンをここで取り戻すというリベンジの気持ちをもっている。特にレギュラーシーズンでの千葉との対戦成績は1勝5敗。田中大貴はファイナルに臨む心境をこう語る。「今までの対戦成績を言われますが、このファイナルは全く新しい試合だと思っています。チーム全員がハングリー精神を持ってクォーターファイナル、セミファイナルと戦ってきたので、新たな気持ちで明日の試合に臨めればいい」

富樫勇樹が「一つのルーズボールだったり、そういうところが今回のチャンピオンシップでも勝敗を分けています。最後の1試合、もう一回こういうところを徹底して、1プレー1プレーを戦いたい」と気持ちの重要性を語れば、A東京の馬場雄大は「僕の役割はチームに勢いを与える泥臭いプレー。そこを全うできればチームに良い流れが作れるので、自分の役割を意識して戦いたい」と、自分らしいプレーを貫くことを誓う。

どちらもディフェンスの重要性は理解している。この部分で気が緩めば試合は一方的な展開になるだろうが、去年のファイナルのことがあるので、その可能性は低い。となれば、それぞれの持ち味をどう出し、どう消すかの勝負。確固たるスタイルを持つのは千葉で、ディフェンスリバウンドから走る展開に持ち込めば優位に立てる。

ただ昨年のファイナルでは、リバウンドの数では上回ったにもかかわらず、トランジションを徹底的に封じ込まれて、ファストブレイクでの得点はわずか4。これが勝負の分かれ目となった。ディフェンスからオフェンスに切り替わる瞬間、千葉がやろうとしているバスケをA東京が阻めるかどうかは大きなポイントとなる。

一方でA東京にとってはピック&ロールからの展開がカギ。ポイントガードだけでなく田中も馬場もピックからチャンスメークでき、抑えるポイントを絞らせないのが強み。アタックしてフリースローを得る機会も多ければ、どの選手もポップして3ポイントシュートを打てる。

この多彩な攻めを封じるには、最初のピック&ロールの時点でいかにディフェンスにズレを作らせないかがカギ。チャンピオンシップに入って安藤誓哉のシュートタッチが良く、ピック&ロールからそのままジャンプシュートを決められると、ここでの優位をその後の展開で利用される。まずは安藤の最初のシュートをストップすることが大事。もう一つ、馬場に縦への突破力を発揮されるとダンク一発でチームが勢いづくので要注意だ。

注目のファイナルは15時10分ティップオフとなる。