ジェイデン・マクダニエルズ

「ホームでプレーオフを戦う雰囲気は最高だった」

現地4月25日、ティンバーウルブズはレイカーズとのファーストラウンド第3戦を116-104で制し、これでシリーズを2勝1敗とリードした

レイカーズはルカ・ドンチッチが体調不良を押してのプレーで調子が上がらず、その分までレブロン・ジェームズがフル回転したが、最後は攻守のインテンシティがモノを言った。第4クォーター残り4分半で103-103の同点から、ウルブズが13-1と圧倒した。

勝負どころのラスト4分半、ウルブズの13得点はすべてアンソニー・エドワーズの得点とアシストによるものだった。ここでエドワーズはレイカーズを引っ張るレブロンをねじ伏せるパフォーマンスでその能力の高さを見せ付けた。

それでも、試合を通じて最も活躍したのはジェイデン・マクダニエルズだ。エドワーズの29得点を上回るチームハイの30得点を記録。ドンチッチのマークを担当する『本職』のエースキラーはもちろん、オフェンスでも大きな成果を上げた。

マクダニエルズはエドワーズと同じ2020年ドラフト組。全体1位指名のエドワーズはルーキーイヤーからエースの活躍を見せてきたが、マクダニエルズも1巡目28位ながらディフェンスを武器に主力を務めてきた。2人とも今シーズンから新契約を勝ち取っており、ウルブズが『チームの顔』だったカール・アンソニー・タウンズを手放したのは、2人に今後長くチームを託す覚悟を決めたからでもある。そのマクダニエルズは、5年1億3100万ドル(約200億円)という大型契約の1年目に、期待に応えるステップアップを見せている。

ディフェンダーとして評価を勝ち取った彼が、プレーオフの大舞台でオフェンスでも力を発揮できる秘訣はどこにあるのだろうか。マクダニエルズは「オフェンスは流れに身を任せるだけ。無理なプレーは極力しないよう意識している」と語る。

「僕をマークするのはディフェンスが得意な選手でないことがほとんど。それで得点できている面もあるし、僕が自分で攻めるよりもスイッチをうながして仲間が優位になるマッチアップを作り出すのも大切な役割だと考えている」

この日のドンチッチは17得点に終わったが、体調不良だったとしてもコートに立っている限りは油断できない存在であることに変わりはない。そのドンチッチをマークし続け、オフェンスでも多くの役割を引き受けるのは、体力的には相当キツいはずだ。

「なんでそんなことができるんだろうね? 僕にも分からない」と彼は笑う。「オフにはかなり体力強化をやっているけど、シーズン中になかなかその余裕はない。理由があるとしたら……楽しんでやっているからかな。世界最高の選手と競い合う。こんなに楽しいことはないよ」

「もう一つ言えるのは、ホームアリーナでプレーオフを戦う雰囲気が最高だったからかな。レイカーズのファンより盛り上がっていたと思う。僕らはファンのみんなからエネルギーをもらって戦っている。だから本当に感謝しているよ」