ジェイレン・ウェルズ

3年目のビンス・ウィリアムズJr.にはチャンス到来

グリズリーズのルーキー、ジェイレン・ウェルズは不慮のアクシデントで躍進のシーズンを終えることになった。

現地4月8日のホーネッツ戦、前半残り1分の場面でファストブレイクからウェルズはダンクを狙う。トップスピードでリングに向かって跳んだ瞬間に、背後からKJ・シンプソンのコンタクトを受け、空中でバランスを崩して背中からフロアに叩き付けられた。

ウェルズは右手首を骨折。脳震盪も併発し、動けないまま担架で地元の病院へと救急搬送された。同じルーキーのシンプソンは咄嗟に出てしまったハードファウルを悔やんだが、退場処分が科せられた。

頭を打った後遺症がなかったのは不幸中の幸いで、ウェルズは退院後すぐにメンフィスに戻り、チームメートに元気な姿を見せた。しかし、右手首の骨折によりシーズン終了となることがグリズリーズから発表されている。

昨年のNBAドラフトで2巡目39位指名を受けたウェルズは、シーズン序盤にケガ人が続出するチーム事情を受けて得たチャンスを生かし、それまでの79試合すべてに出場し、うち74試合で先発を務めた。平均25.9分の出場で10.4得点、3.4リバウンド、1.7アシストを記録。エネルギッシュにコートを駆け回り、ハードなディフェンスでスタッツ以上の存在感を発揮していたウェルズは、シーズンが進む中でケガ人が戻って来ても、指揮官交代があっても主力の座をキープして安定した活躍を見せていただけに、彼の離脱はチームにとって大きな損失となる。

レギュラーシーズンのラスト2試合、そしてプレーオフでウェルズの代役としてスモールフォワードを務めるのはビンス・ウィリアムズJr.になるだろう。2022年の2巡目47位指名の彼は、2年目の昨シーズンにケガ人続出のチームでチャンスを生かし、シーズン中盤から主力としてプレーした。今シーズンはウェルズの台頭に自身のケガもあって出場機会を減らしていたが、シーズンの最も重要な時期にチャンスがやって来た。

「ジェイレンが元気そうで良かった」と語るウィリアムズJr.が『ネクスト・マン・アップ』の精神でチームを救えるか。レギュラーシーズンの残る2試合はナゲッツ、マーベリックスと強敵揃い。2連勝でプレーインを回避するとともに、ウェルズ離脱のショックを払拭してプレーオフに弾みを付けるのがベストのシナリオとなる。