強力な『個の力』がチームとして噛み合いプレーオフへ
誰がマークしても抑えられないレブロン・ジェームズとルカ・ドンチッチに、3番手のディフェンダーでは止めようのないオースティン・リーブス。それに続く八村塁やジャクソン・ヘイズ、ドリアン・フィニー・スミスは自分に有利なマッチアップの時を選んで攻めることができる。圧倒的な個のアドバンテージがチームとして噛み合った今のレイカーズは、サンダーを大差で破るだけのバスケを展開している。
現地4月6日、リーグ首位を走るサンダーをレイカーズが圧倒した。第1クォーターでフィールドゴール21本中15本成功、3ポイントシュートは9本中7本を成功させて42-32と2桁のリードを作り、その後のクォーターもすべて上回り126-99の完勝を収めた。第3クォーター終了時点で103-77と大差を付け、サンダーは最終クォーターにシェイ・ギルジャス・アレクサンダーをプレーさせなかった。
サンダーは今シーズン14敗目、初めての連敗となった。すでに第1シードを確定させていることで、プレーの強度は本来のレベルではなかったが、それ以上にレイカーズの出来の良さが印象的だった。
すべての起点はドンチッチだ。レブロンがチェット・ホルムグレンのディフェンスに苦戦する中、レブロンに無理にボールを託すのではなく、ドンチッチがスクリーンとドリブルハンドオフを使って有利なマッチアップを作り出して攻めていく。前半で22得点5アシスト、ターンオーバーなしと完璧なオフェンスを作り出し、試合が進むにつれてサンダーがダブルチームを仕掛けてくると、ドンチッチは冷静に相手のディフェンスを見極めてチームメートのチャンスを作り出した。
ドンチッチ加入後しばらくは、レブロンとリーブスとの3人が同時にコートに立っている時のオフェンスが必ずしも噛み合ったわけではなく、むしろディフェンスの難が目立った。だが、試合を重ねるごとに弱点は消え、強みが増している。3人いずれも「もっともっと良くなれる」という意識で連携を高め、それがコート上で面白いように発揮されるようになってきた。
その自信をドンチッチはこう語る。「彼らがブリッツを仕掛けてくれば、パスを出して4対3で攻めればいい。簡単ではないけど、僕がこのチームに加わってからずっと、その形を探ってきた。それはどんどん良くなっているし、ボールが良く動いてオープンショットを受けていた」
ドンチッチのマークを主に担当したのはルーゲンツ・ドートだった。「NBAでも屈指のディフェンダーだから、彼との対戦はタフだよ。でも、それに負けたくないという意識がモチベーションになり、最高の力を引き出してくれる」
「ここで勝つのがどれだけ大変かは分かっているけど、西カンファレンスの順位争いを考えると勝利が必要だった」とドンチッチは言う。「JJ(レディック)はフィジカルに、アグレッシブにプレーすることを僕らに求めていて、その通りにやれた。僕のシュートはよく決まっていたし、チームとしても良いチャンスを作れたと思う」
ディフェンスであるべき強度を保てなかったり、遂行力が落ちることはまだあるが、オフェンスは安定して高いパフォーマンスを出せるようになった。主力が揃って健康であることがベースとなり、レイカーズはプレーオフを目前にして理想の姿に近付きつつある。