
第4クォーターだけで13得点の大暴れ
3月26日、千葉ジェッツはホームでの越谷アルファーズ戦を74-68で競り勝った。
この試合、両チームともに序盤からシュートタッチが良くなく、前半は千葉Jの35-27とロースコアの展開になる。千葉Jはエースの富樫勇樹が負傷によって後半は出場なしと、予想外のアクシデントの中、後半に入ると越谷の反撃をくらい試合は僅差のままで第4クォーター終盤までもつれる。
23日の試合で渡邊雄太が左腓腹筋筋損傷によって全治3週間から4週間の離脱となり、さらに貴重な得点源のクリストファー・スミスも調子が悪い中、チームを救ったのはディー・ジェイ・ホグだった。
第4クォーターは3ポイントシュート3本成功を含む、フィールドゴール5本中5本成功、13得点の大暴れ。試合全体を通しても3ポイントシュート6本中5本成功を含む22得点5リバウンドの活躍で勝利の立役者となった。
「前半は酷い内容でしたが、こういう時こそしっかり修正していかないとチャンピオンシップチームになれないです。最後、勝つことができて良かったです。」
このようにホグは、勝利に安堵の表情を見せる。そして、自身のプレーに聞くと、「勇樹が後半はプレーできない中、ステップアップする必要がありました。ただ、彼が出られないと気づいたのは、後半の最初、フミ(西村文男)がコートに入った時でした(笑)」と明かし、最後はチームを引っ張る強い気持ちでコートに立っていた。
「試合の流れもあって、最後は危機感がありました。ここ一番で、幸運にもオープンでシュートを決めることができました」

「シュートを決めて正しいプレーをしていきたい」
千葉Jは22日、リーグ下位の滋賀相手に、序盤から集中力を欠くプレーが目立ち痛恨の黒星を喫した。だが、渡邉が欠場し、富樫も後半はコートに立てない苦境でチームは1つにまとまった。トレヴァー・グリーソンヘッドコーチも「チームを誇りに思います。フィジカルな試合を、チームがまとまって戦いました。勇樹が後半プレーできませんでしたが、みんなステップアップしました」と称える。
第4クォーター、一度もタイムアウトを取らなかったことには、「コート内での選手に対しての信頼がありました。流れが良く、チームとしてディー・ジェイ選手がシュートが入っていることをわかって、彼にボールが渡るようにプレーしていました」と安心して見ていられたと振り返る。
ホグは3ポイントシュートを得意とし、ハンドリング能力にも長けた207cmの大型フォワードとして開幕からハイパフォーマンスを続け、千葉Jの開幕ダッシュの原動力となった。だが、12月1日に左足関節捻挫を負って約1ヶ月の離脱を強いられる。復帰後は調子の波が激しいところがあるが、これで2試合連続20得点となった。
現在の状態について、ホグはこう語る。「100%に近づいています。ただ、痛めた足首に違和感はあり、まだシーズン当初のように片足でダンクをできる状態ではないです。ドライブ、味方のためにクリエイトをすることはできています。リズムを取り戻してきているので、ターンオーバーを減らし、シュートを決めて正しいプレーをしていきたいです」
23日、東地区2位の群馬クレインサンダーズが敗れたことで、千葉とのゲーム差は1ゲームとなった。1位の宇都宮ブレックスとのゲーム差7を縮めることは難しくとも、地区2位の最上位に与えられるプレーオフクォーターファイナルのホーム開催権に関しては、2位最上位のアルバルク東京とは3ゲーム差、さらに直接対決2試合が4月5日、6日に控えており射程圏内だ。
渡邊の欠場もまだ続く中、千葉Jの浮上にはホグの完全復活が欠かせない。