地区2位を争う群馬を70点に抑えた千葉Jが3連勝
3月19日、千葉ジェッツはアウェーで群馬クレインサンダーズと対戦した。東地区2位を争う直接対決で、千葉Jが70-86で勝利してゲーム差を1に縮めた。
第1クォーターの千葉Jは5本の3ポイントシュートを浴びて苦戦したが、第2クォーターには強固なディフェンスで群馬にタフショットを打たせ、4分以上に渡りフィールドゴールを許さずに逆転に成功。48-36とリードして前半を終えた。後半も流れは変わらず。第4クォーターに一時は点差を1桁に詰められたものの、先発メンバーがコートに戻ると盤石の試合運びで勝利を収めた。
千葉Jのヘッドコーチ、トレヴァー・グリーソンはチームディフェンスを勝因に挙げた。「第1クォーターは素晴らしいシューターが多い群馬にオープンを許しましたが、そこをしっかりチャレンジして守るように指示し、選手たちが応えてくれました」
相手の好調な3ポイントシュートを抑えるだけでなく、ペイント内の失点も24に抑えた。「インサイドのディフェンスはチームとして良くなってきています。1対1の場面でそれぞれがプライドを持って戦うことができています」
そのインサイドを支えるのは、渡邊雄太に次いでチームで2番目に長くコートに立っていたジョン・ムーニーだった。スタッツだけに目を向ければ、14得点6リバウンド2アシスト2スティールとシーズン平均と大きな差はないが、スタッツに現れない奮闘ぶりは称賛すべきものだった。
ムーニーは大一番の勝利に安堵した表情を浮かべ、こう試合を振り返った。「群馬は素晴らしいチームですし、順位にもかかわってくるので大きな1勝になりました。チームとしてしっかり集中しようという話をして臨みました」
「自分がやるべきことを100%遂行するよう意識」
オフェンスでは、ムーニーと富樫勇樹のコンビプレーが光った。速攻では最前線を駆け上がり、富樫のパスを受けてダンク。さらにピック&ロールからのハードダイブでバスケット・カウントを奪うなど、阿吽の呼吸で得点を重ねた。
「勇樹とプレーするのは大好きです。4シーズン一緒にプレーしているので、ケミストリーは本当に高まってきています。彼がディフェンスを引き付けて良いパスをくれるので、後は決めるだけという状況です。ただ、今日は彼だけではなくチーム全員で勝ち取った試合でした」
チーム全員での勝利をムーニーは強調するが、そのチームプレーを遂行する上でも、セルフィッシュなプレーを一切しない彼の献身性は重要なものだった。「リバウンドや得点など、自分がやるべきことを100%遂行するよう意識しているだけです」とムーニーは言う。
さらに彼の真骨頂とも言うべきディフェンスも冴え渡った。ハンドラーのアタックに対しては、チームメートと連携を図った上で進行方向を塞ぎ、相手ビッグマンのポストアップを弾き返す力強さも見せた。
第2クォーター以降は千葉Jがリードする試合展開だったが、群馬が勢いに乗りかけるシーンは何度もあった。そこでムーニーのディフェンスが相手の勢いを止め、流れを渡さなかったことが快勝を呼び込んだ。
「アウェー戦なので、相手に流れが来るのは分かっていました。その中でディフェンスが機能して抑えられたのは良かったし、最後は勇樹がビッグショットを決めてチームを引っ張ってくれました」
どのチームよりも戦力が充実し、開幕前から優勝候補と目されてきた千葉Jだが、開幕直後から渡邊雄太、その後にディー・ジェイ・ホグとムーニーの長期離脱があり、ここまでリーグ全体で7位の28勝14敗と期待通りの成績を残せていない。それでもシーズン終盤に戦力が整い、成績も上向いている。
この試合で渡邊が最終盤に負傷退場し不安を残したが、ムーニーは前向きな展望を語る。「僕もそうですが、チームとして大きな逆境を乗り越えてきました。ここから一歩ずつチームとして成長していき、5月のチャンピオンシップでベストな状況に持っていきたいです」