アシスタントコーチの何気ない一言がダンクを生む
現地3月1日、ウォリアーズは背中に痛みが出たジミー・バトラーを欠いたセブンティシクサーズ戦に119-126で敗れ、連勝が5でストップした。バトラー獲得以降は7勝1敗と勝ち続けているチームにとっては久々の敗戦だったが、それ以上に久々なことがあった。ステフィン・カリーがダンクシュートを決めたのだ。
第4クォーター残り7分、オフェンスリバウンドを確保しようとしたガーション・ヤブセレのハンドリングミスを見逃さなかったバディ・ヒールドがボールを奪い、すぐさま前線を走るカリーにパスを送る。ディフェンスが誰もいない状況でカリーは右手でのダンクを選択し、109-104と追い上げる得点を決めた。
その直後、彼はベンチにいるアシスタントコーチのジェリー・スタックハウスに指を向けた。この日の朝にスタックハウスが挨拶代わりに何気なく発した「ダンクを決めてくれよ」という言葉が、カリーにいつもと違うインスピレーションを与えたからだ。
「スタックハウスがダンクを見たいと言ったんだ」とカリーは言う。「普段はそんなこと言わないし、僕ももう何年もそんなことを言われたことがなかった。それが今日の試合で起きるのは面白いよね。思い付きで言った言葉が本当に起きたんだ」
カリーにとっては2019年2月21日以来、実に6年ぶり、334試合ぶりのダンクだった。キャリアを通して27回目、2015-16シーズンには7回のダンクを決めたが、ダンクに限って言えばカリーは『寄る年波』にさらされている。
「あそこまでボールを上げるだけで体力を使い果たすよ」とカリーは笑う。「今日のダンクはかなり調子が良かったから実現したものだ。1年を通じて膝の状態を気にしなきゃならないけど、今日はチャンスを最大限に生かすことができた。でも、多分これが僕の最後のダンクになる。今ここで明言しておくよ、これで終わりだ」
バトラー不在の試合でカリーは36分プレーし、29得点13アシストを記録したものの、チームは残り1分で2点ビハインドの接戦を勝ち切ることができず。それでも長いシーズンでずっと勝ち続けるわけにはいかず、バトラーのケガは軽傷で、チームに悲観的な雰囲気はなかった。
ダンクは見納めかもしれないが、カリーとウォリアーズの優れたパフォーマンスは引き続き見られるはずだ。