ロニー・ウォーカー四世

リトアニア・カップ優勝を果たし、NBA復帰へ

ロニー・ウォーカー四世はNBAキャリア6年目の昨シーズンをネッツで過ごした。58試合で平均17.4分の出場、9.7得点というのがそのスタッツ。攻守に安定したプレーのできる選手として評価は高いが、昨シーズンのネッツではケガで出遅れるとチームが若手中心の起用を行い、十分な出番が得られなかった。

出直しとなる今シーズン、なかなか契約が決まらない中で、彼はセルティックスとエグジビット10契約を結んでトレーニングキャンプに参加。ここから正式契約を勝ち取るつもりだったが、すでにサラリーキャップを大幅に超過していたセルティックスは、彼の実力は認めながらも契約を見送った。

こうしてウォーカー四世はヨーロッパへ渡る決断を下す。行き先はリトアニアの強豪、ザルギリス・カウナス。彼にとってはプロ7年目で初のアメリカ以外でのプレーとなり、平均22分のプレータイムで13.6得点、3.2リバウンド、1.8アシストを記録。チームは先週、リトアニア・カップで優勝し、これが彼にとってはプロキャリア初のタイトルとなった。

彼自身、リーグのレベルにもチームの環境にも満足していたが、セブンティシクサーズからオファーが届いたことで、その挑戦は4カ月で幕を閉じた。来シーズンまで370万ドル(約5億6000万円)の契約で、来シーズンはチームオプションと決して恵まれた内容とは言えないが、ウォーカー四世にとってヨーロッパはあくまで通過点で、ザルギリス・カウナスとの契約はNBAのチームからオファーが届けば破棄できるオプションが付いていた。ウォーカー四世は迷わずNBA復帰を選んだ。

ウォーカー四世は2018年のNBAドラフトでスパーズに1巡目18位で指名されたが、この時シクサーズも彼の指名を検討し、ドラフト前のトレーニングに参加させていた。シクサーズはヨーロッパからの『出戻り』としてガーション・ヤブセレで大成功を収めており、その再現を期待しているのだろう。

ここまで20勝34敗とプレーオフ戦線で大きく後退している。しかし、大黒柱のジョエル・エンビードが休養を挟みながらもコンスタントにプレーできるようになり、ここから巻き返しを図りたい。

バックコートでは若きエースとなったタイリース・マクシーがエンビード不在の分までフル回転してきた。しかし、バックアップを務めるカイル・ラウリーやエリック・ゴードンはベテランでケガが多くなっており、ルーキーのジャレッド・マケインがケガでシーズン終了となった後はマクシーの負担がさらに増している。『即戦力』として、ウォーカー四世には多くの役割が求められることになりそうだ。