デローザン「いつも彼のそばにいてサポートしていく」
現地1月29日、キングスは第3クォーター途中の12点リードから逆転され、104-117で敗れた。ケガ人が多い中で2日連続の試合だったシクサーズに対し、オフェンス自慢のキングスが第4クォーターに17得点しか奪えず敗れた理由を誰もがこう考えた。「フォックスの移籍の噂がチームに影響を与えた」と。
この試合の前日に『The Athletic』が、キングスはフォックスのトレード交渉を受け入れると報じた。フォックスは10月にキングスからの契約延長を断っており、まだマイク・ブラウンがチームを率いていた昨年末に「優勝を狙えるチームでプレーしたい。それが最終的な僕の望みだ」と発言している。
そしてフォックスのエージェントを務めるリッチ・ポールが、キングスのフロントに「今すぐ移籍させるべきだ」と伝えた。これはすなわち、フォックス側がキングスを「優勝を狙えるチームではない」と判断してトレードを望み、来シーズンで契約満了を迎えるフォックスを今のうちに別の資産に替えるべきだとのアドバイスだ。
スパーズでビクター・ウェンバニャマと組む、ロケッツのラスト・ワン・ピースとなる、混迷するヒートでケンタッキー大でのチームメートであるバム・アデバヨと再会する、彼の望む新契約を提示できるネッツで再スタートを切る……様々な噂が噴出する中で迎えたのがシクサーズ戦であり、ダグ・クリスティへの指揮官交代を機に息を吹き返したチームが、その勢いを失うような形で敗れた。
フォックスは19得点8リバウンド5アシストを記録。チームが失速した第4クォーターはフィールドゴール5本中成功1本の4得点に終わっている。「僕たちのビジネスでは、感情は脇に置いておかなければならない」とフォックスは語った。トレードを望んでいるのは彼自身だとしても、2017年のNBAドラフトから8年間を過ごしたキングスへの愛着に変わりはなく、だからこそこのタイミングでこんな形で敗れたことに彼は責任を感じていた。
指揮官ダグ・クリスティは、フォックスともチームともこの件についてオープンな話し合いをしていると明かし、こう続ける。「みんな人間だから、影響を受けるのは当たり前だ。バスケにはビジネスの側面があり、ルーキーを除く全員がこういったことを経験している。試合前の段階で選手のメンタリティに問題があるようには見えなかった。今日の試合についてはシクサーズの頑張りを評価すべきだよ」
フォックスとはケンタッキー大で一緒でドラフト同期でもあるマリーク・モンクは、フォックスの移籍話の影響について「チームが影響を受けたとは思わないが、彼がいつもどおりのメンタルでプレーするのは難しかったと思う。でも、これまでも公にならなかっただけでトレードの話がなかったわけではないはずで、だから彼は大丈夫だよ」と語る。
一方でデマー・デローザンは『Run It Back』に出演し、ルー・ウィリアムズから「フォックスが移籍したら、自分の将来も考え直す?」と率直な質問を投げかけられると「難しい問題なのは間違いない」と率直な答えを口にした。
「僕がキングス入りを決めたのはフォックスとドマス(ドマンタス・サボニス)、マリックの3人と話したからだ。僕に残された時間は長くはないから、チームの将来を信じてあと5年プレーするわけにはいかないんだ。今は分からないことだらけだが、今あるチャンスを最大限に活用することに集中しながら、成り行きを見守りたい」
そしてデローザンはチーム最年長のベテランとしてフォックスを支える立場を表明した。「今回の件が起きてからまだ彼とは話していないけど、チームメートは兄弟であり、どんな状況でもサポートしていく。バスケのビジネスに気を取られてプレーに集中できない状況はしばしば起きるもの。彼にとっては難しい問題だろうけど、僕にはトレードされた経験があり、このビジネスへの理解が深いと自負している。いつも彼のそばにいて、いつもと同じように接してサポートするつもりだ」
キングスは24勝23敗で西カンファレンス10位。プレーオフへのストレートインとなる6位とは3ゲーム差だが、その間にはティンバーウルブズ、マーベリックス、サンズ、そして同じ10位にはウォリアーズと強豪がひしめき合っている。プレーオフ進出のためには1試合も無駄にできない状況で、フォックスのトレードという難問を前に上手く立ち回ることを求められている。
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— Sacramento Kings (@SacramentoKings) January 30, 2025