リムプロテクトとリバウンドの弱点を解消する戦力に
サンズがかねてから噂されていたホーネッツのニック・リチャーズの獲得を決めた。ホーネッツはリチャーズと2025年の2巡目指名権を譲渡し、ジョシュ・オコーギーと2026年の2巡目指名権、2031年の2巡目指名権2つを手に入れる。
リチャーズは2020年の2巡目で指名された選手で、最初の3年間はマーク・ウィリアムズとメイソン・プラムリーに続く控えセンターとしてプレータイム確保に苦労したが、4年目の昨シーズンに先発51試合出場とブレイクを果たした。器用さには欠けるが213cmのサイズとフィジカルの強さ、バネの効いた運動能力の持ち主で、ディフェンスとリバウンドでは即戦力として期待される。
サンズは昨シーズンに加入したユスフ・ヌルキッチがチームにフィットせず、今シーズンはケガや出場停止でコンスタントにプレーできておらず、2月のトレードデッドラインまでに放出されることが濃厚となっており、プラムリーも34歳でハードワークができず、残るセンターはルーキーのオソ・イガダロと、層の薄さが響いてリムプロテクトとリバウンドの弱さが顕著となっていた。
リチャーズはゴール下を守り、リバウンドを確保する点では即戦力として期待できる。スキルやバスケIQの不足によるミスの多さ、またホーネッツ以外でプレーしたことがないため、サンズにどれだけ早く順応できるかは懸念されるが、そこはデビン・ブッカーやケビン・デュラントで補うことが可能だろう。少なくともデュラントがリバウンドで疲弊するよりも、チームとしてはずっと効率良く戦えるようになる。
ホーネッツとしては、2巡目の粗削りなセンターだったリチャーズをようやく主力として使えるまでに育てたところでトレードで放出するのは惜しいようにも見えるが、ここまで8勝28敗と勝てておらず、27歳のリチャーズは再建のタイムラインに合わないという判断だろう。
ホーネッツが昨シーズン途中にマーベリックスに放出したPJ・ワシントンは、大ブレイクを果たしてマブスのNBAファイナル進出に貢献した。そういったインパクトをリチャーズがサンズにもたらせるかどうかが注目される。