ジェイデン・アイビー

「もっと良い選手になって戻って来ることを約束する」

現地1月1日、ピストンズは105-96でマジックに勝利したが、ジェイデン・アイビーを失うことになった。第4クォーター、ケイド・カニングハムの放った3ポイントシュートがリングに弾かれ、そのボールにアイビーとコール・アンソニーが飛び込み、トップスピードで激しく接触した。アイビーの左足がアンソニーの身体に押され、不自然な形でコートに叩き付けられる。コートに倒れたアイビーは痛みに絶叫した。すぐに試合が止められ、メディカルスタッフが応急処置をしてアイビーをストレッチャーで運び出す。

この間、両チームの選手たちはアイビーの負傷した箇所が観客やテレビカメラから見えないように彼を取り巻き、そして泣いていた。ピストンズの若いチームメートはもちろん、図らずもケガのきっかけを作ってしまったアンソニーもひどく動揺し、号泣していた。

ピストンズの指揮官J.B.ビッカースタッフは「軽傷で済むことを祈っている」と語ったが、そうでないことを全員が悟っていた。「JI(アイビー)はこのチームの中心だ。私はこのチームに来てずっと『団結』を説いてきたが、その中心人物だ。彼ほど素晴らしい人物はそうはいない」

指揮官がそう評するアイビーは、この試合で27分プレーして22得点1リバウンド4アシストを記録していた。今シーズンは30試合に出場して17.6得点、3ポイントシュート成功率は40.9%と、カニングハムと組むガードである彼はキャリア3年目にして飛躍のタイミングの最中にあった。

アイビーのケガは左足の腓骨骨折で、4週間後に再検査となり、その時点での回復具合がチームから発表される。ただ、今シーズンは15勝18敗と健闘しているとは言えピストンズはいまだ再建期を脱しておらず、早期復帰のために無理はさせないと予想される。

アイビーを乗せたストレッチャーが動き出すと、それまで沈黙を保っていたデトロイトのファンから彼の名前がコールされた。彼はそれに応えられなかったが、その後にSNSでこんなメッセージを送っている。

「もっと良い選手になって戻って来ることを約束する。今から復帰に向けた道のりがスタートする」