シェイ・ギルジャス・アレクサンダー

エースが守備の持論を語る「足を引っ張らないように」

現地12月31日、サンダーはホームでティンバーウルブズと対戦し、113-105で勝利を収めた。前半は46-52とわずかにリードを許していたが、指揮官マーク・ダグノートが「フィジカルにプレーする相手のペースだった」と表現する、点差以上にウルブズ寄りの試合展開。それが変わったのは第3クォーターで、43-23というビッグクォーターだった。

43得点を奪ったにもかかわらずダグノートは「第3クオーターはディフェンスのクオーターだった。ディフェンスの強度を上げることで試合の流れを引き寄せた。ハーフタイムに私は『これは自分たちの望む試合展開じゃない。明日の練習で同じことは言いたくない』と伝えた。それを選手たちは理解し、試合の中で修正してくれた」と言う。

前半で15得点を奪っていたシェイ・ギルジャス・アレクサンダーは、チームがディフェンスから流れを引き寄せたことでリズムを上げ、第3クォーターだけで19得点を稼ぎだした。彼は味方のハードワークを期待する『王様』ではなく、自分自身も優れたディフェンダーとしてチームメートと協力し、試合の流れを劇的に変えた。

試合を通して40得点を挙げたシェイは「コーチからは自分たちのアイデンティティをコートで表現しろと喝を入れられた」と話す。「前半は僕らのプレーじゃなかった。今はどのチームも僕らをリスペクトし、全力で向かってくる。こちらも常に全力でやらないと、ひどいことになるぞ、というメッセージだった。幸いにも僕らは、第3クォーターのプレーでそれに応えることができた。まだチームは成長段階だけど、今回は上手く軌道修正できたと思う」

ここ5試合で3度目の40得点超え。得点面でそれだけ結果を残していても、シェイはディフェンスでもチームを引っ張る意識を持っている。それは彼に言わせれば「僕がこのチームでディフェンスが一番下手だ」というものだ。

「別に自分の守備が全然ダメだとは思わない。ウチの連中ほど上手くはないだけだ。だから僕はチームの一員として、足を引っ張らないように頑張る。ディフェンスでは賢くギャンブルしなきゃいけない。負ける時もあるけど、それよりも多く勝とうとしている」と彼は言い、ディフェンスからリズムをつかんだ時こそ、オフェンスでも効率良くプレーできるとの考えを語る。

「コート上で正しいプレーをしていれば、ほとんどのことは上手くいく。僕らのプレーは素早くアグレッシブであるべきだ。今日の前半はディフェンスの動きが重く、相手の勢いを止められず、プレーのスピードが上がらなかった。ディフェンスからペースをつかんで5人全員が得意なプレーをやり始めれば、自然とリズムに乗れる。そうしたらすべて上手くいくんだ」

シェイはサンダーのエースで、NBAのトップスターへと駆け上がろうとしている。指揮官ダグノートはシェイについて「彼は様々な面で少しずつ成長してきた。突然ひらめいたようにブレイクしたわけじゃない」と語る。「攻撃でも守備でも、リーダーシップの面でも長い時間をかけて少しずつ、でも順調に成長してきた。彼の優れた資質の一つは謙虚なことだ。トレードでサンダーにやって来た時からエースを任され、その役割をこなすために成長しようとし、今もその努力を続けている。彼は決して成功にあぐらをかかない。常に鏡を見て改善できる部分を探し、上を目指している」

その通り、絶好調の今もシェイはこう謙虚な言葉を語る。「今の好調はこれまでの努力が報われているんだと思う。でも来週は良い感じでプレーできているかもしれないし、もがき苦しんでいるかもしれない。とにかく全力を尽くして、もっと良い選手になれるよう努力し続ける。上手くいけば、来週それが報われるだろう」

これでサンダーは12連勝。27勝5敗で2位に5ゲーム差をつけて西カンファレンスの首位を快走している。