写真=Getty Images

ディフェンスでは一番大きい相手をマークし、ガードとしてプレーする

王者ウォリアーズにとって不可欠なキーマン、ドレイモンド・グリーン。コービー・ブライアントをして、「バスケットボール研究家」と言わしめた存在だ。そのグリーンが、WNBAの試合から学ぶものがあると『Sports Illustrated』のインタビューで語った。

「NBAには、何でもできる選手がたくさんいる。だけど、そういう選手は基礎の部分を理解していないことがある。だから僕はWNBAの試合からも学ばせてもらっているんだ。女子選手はドリブル、ピボット、ショットフェイクというものをしっかりと理解しているからね。すごく参考になるよ」

女子の試合を見て、そのプレーからも学ぼうという探究心は、NBAの選手でもなかなか持てないものだろう。だがグリーンは基礎の部分を女子バスケから学び、今も成長への意欲を隠そうとしない。

201センチのスモールフォワードとして活躍するグリーンだが、そのボールハンドリング技術はポイントガード並。2015-16シーズンは、リーグ2位となる13試合でトリプル・ダブルを達成した。

子供の頃から大柄だったというグリーンは、父と叔父のアドバイスを受けながらバスケを学んだ。ディフェンスの際には対戦相手で一番大きな選手をマークし、オフェンス時にはポイントガードとしてプレーするように仕込まれたという。

現代のNBAでは、フォワードやセンターでもガード並のハンドリング技術を持つ選手が急増している。2015-16シーズンの新人王に輝いたティンバーウルブズのカール・アンソニー・タウンズは、オールスターウィークエンドに開催されたスキルズチャレンジ(ドリブル、パス、レイアップ、シュートなどの基本技術を競い合うコンテスト)に出場し、決勝でガードのアイザイア・トーマス(セルティックス)を下して優勝した。

才能に恵まれた選手ほど基礎をないがしろにしてしまいがちだが、NBAのトップ選手に成長したグリーンでさえも、ファンダメンタル(基礎)こそが重要と考えている。その理由について、グリーンは以前こう語っている。

「子供の頃は誰よりも身長が高かったけど、ボールを運んではドライブを仕掛けていた。『もし身長の伸びが止まってしまったら、その時にはガードの技術が絶対に必要になる』と、父と叔父に言われていたよ。子供の頃に教えられたことは、今の自分のプレーにおいて極めて重要な基礎になっている」

バスケットボール選手にとって、身体の大きさは重要な武器だ。だが、そこに技術が加われば『鬼に金棒』である。日本のバスケットボールキッズにも、グリーンの言葉に耳を傾けてもらいたい。