20得点18リバウンド、リラードは「今日のMVP」と称賛
4月14日にホームで行われたサンダーとのファーストラウンド第1戦、トレイルブレイザーズのエネス・カンターは20得点18リバウンドを記録。出場している時間帯の得失点差を表す±の数字でもゲームハイの+15をマークして勝利に貢献した。
カンターは、つい2年前までサンダーの一員だった。当時はディフェンスに難がある選手と評価されていたが、この日は必死にボールに食らい付くディフェンスを見せ、リバウンド争いでもチームに一つでも多くのポゼッションを与えようという執念が見て取れた。
その姿にリラードも心打たれるものがあったのだろう。「努力して、集中して、強い意思があれば、チームのために何かできることがある。カンターはチームに来てから、それを証明している。今夜の試合もそうだった。この試合のMVPだ」とコメントした。
CJ・マッカラムもカンターを称えた。「サンダーを相手にすれば、ラス(ラッセル・ウェストブルック)、PG(ポール・ジョージ)、(デニス)シュルーダーを相手にしなくちゃいけない。どのビッグマンにとっても、彼らを抑えるのは大変な仕事だ。カンターは自分の仕事をきっちりこなしたと思う。しかも、スティーブン・アダムズともマッチアップして抑えた。ヌルキッチがケガをしてから、彼がチームのカギになっている。これからも、高いレベルでプレーを生み出してもらわないといけないね」
リラードやマッカラムがカンターの働きを称賛するのは、この勝利がブレイザーズにとってプレーオフでの連敗を10で止めるものだったからだ。ホームでの第1戦を落とさなかったことも大きいが、スウィープ負けの悪夢から解き放たれたことで、チームの士気は高まる。
もっとも、感謝しているのはカンターも同じ。今シーズンの開幕をニックスで迎えたが、出場機会を得られず、2月のトレードデッドライン後に解雇されている。こうしてブレイザーズに加入し、ユスフ・ヌルキッチが長期離脱となってからは先発を任されるようになった。
「自分はリーグでワーストのチーム(ニックス)で出場機会を得られなかった。彼らは、僕が歳を取りすぎていると思っていたんだろうね。その時の状況、様々な出来事にも腹が立っていた。僕がやりたかったことは試合に出て、勝つことだけだった。数日前、鏡に映る自分に向かって『自分のことを信じてくれるチーム、素晴らしい仲間と一緒にいられて幸せだよな』と言ったんだ。今は最高の気分だ。本当に感謝している」
プレーオフを勝ち抜くには、急に存在感を強める選手、チームに新しいプラスアルファをもたらす選手の存在が不可欠。ブレイザーズは初戦でそれを手にした。カンターがこのパフォーマンスを続けられれば、これほど心強いことはない。