相次ぐ移籍にも「バスケはそう難しいものじゃない」
ドンテ・ディビンチェンゾはバックスでデビューして4シーズン目の途中でキングスにトレードされ、ウォリアーズ、ニックス、そして今回はティンバーウルブズと毎年のようにチームを変えている。それでも彼は所属したどのチームでも貴重な戦力と見なされてきた。
ニックスはカール・アンソニー・タウンズ獲得のトレードを決めたが、『ビラノバ・カルテット』の一員であるディビンチェンゾを手放したくはなく、最初はジュリアス・ランドルに加えてミッチェル・ロビンソンを交換要員として交渉していたとされる。だが、ウルブズはディビンチェンゾを欲しがった。多彩なプレーで攻守に貢献でき、直近2シーズンの3ポイントシュート成功率が40.0%に達した、27歳にして優勝経験を持つ選手。ウルブズが彼にこだわるのは当然だった。
マイク・コンリーが司令塔で、アンソニー・エドワーズとジェイデン・マクダニエルズがウイング、ジュリアス・ランドルとルディ・ゴベアがフロントコートで組む。シックスマンとして起用されるであろうディビンチェンゾがどんな起用法をされるのかはまだ分からない。
それでもディビンチェンゾは「このチームの層の厚さとバスケIQがあれば、どんなラインナップも組めるし、どんなバスケにも対応できる」と話す。「僕が今回このチームに来て一番ワクワクするのはそのことだ。誰に代わって誰が出る、ではなくて、スモールでもビッグでも様々な布陣で戦える。その幅の広さがこのチームの武器になるだろうし、どうなるかを考えると楽しみでしかないよ」
トレードが正式発表されてすぐの現地10月4日、ディビンチェンゾはウルブズのユニフォームを着てレイカーズとのプレシーズンゲームに出場した。慌ただしくニューヨークからミネアポリスへと移った時期だけに、無理してプレーする必要はなかったのかもしれない。それでもディビンチェンゾは迷わず出場することを選んだ。
「昨シーズンから継続しているオフェンスがあるから、それを学ぶのにある程度の時間は必要だけど、結局はバスケをプレーするだけの話だから、コートに立つことで理解は進む。このチームにはバスケIQの高い選手がいるから難しくはないはずだ。自分が何をすべきかを理解するのに、すべてのセットを覚えていなきゃいけないわけじゃない。ディフェンスを読んで素早く決断する。5人の選手が正しいプレーを選択していれば、バスケはそう難しいものじゃない」
突然のトレードが起きても、プレーする準備はできている。「24秒間ずっと動き続けて決して立ち止まらないこと。それはクレイ(トンプソン)から学んだ。コートを走り、シュートを打って、すぐにディフェンスに回る。そのためのコンディションは常に整えておく。それは僕にとって当たり前のことであり、誇りでもある」
どこでプレーするにせよ、ディビンチェンゾは自分のスタイルを貫き、自分らしくプレーする。環境が変わることには慣れたもの。「トレードが決まって目まぐるしい数日だったけど、プレーもしたし、すべて上手くいっている。チームのみんなと一緒にいてバスケができるのは気分が良いよ」と語る彼は、ウルブズで唯一の優勝経験を持つ選手として、頼りになる存在になりそうだ。