バム・アデバヨ

「油断ならない相手」強化試合で得た教訓を生かす

大会直前の強化試合で、アメリカは南スーダンに最後の最後まで苦しめられた。レブロン・ジェームズのゲームウィナーで101-100と勝ちきったものの、「南スーダンは油断ならない相手」との印象は強く、それがアメリカのいきなりのエンジン全開に繋がった。

パリオリンピックでの第2戦、これまで強化試合も含めてスロースタートの印象があったアメリカは、レブロンの連続得点にベンチからスタメンに抜擢された2人、ジェイソン・テイタムのアシストからアンソニー・デイビスの得点と先行する。その後、どの選手も思い切り良くリムを攻める積極性を出す南スーダンに一度は逆転されたが、ここで再びレブロンが存在感を発揮。デイビスとのホットラインからダンクを叩き込むと、パスを受け取れず一度はファンブルするも強引に手中に収めてシュートに持ち込んで10-10と同点に追い付いた。

開始6分で投入されたセカンドユニットがその勢いを引き継ぐ。ドリュー・ホリデーとバム・アデバヨがディフェンスの強度と賢さを高め、ケビン・デュラントがフリースローで着実に得点を重ね、アンソニー・エドワーズが一人で相手ディフェンスを切り裂くレイアップを決める。一方で南スーダンはベンチメンバーが出ると失速。スティールからワンマン速攻に入ろうとしたデュラントを止めたJT・ソーがアンスポーツマンライクファウルを取られるなど、リズムに乗れない。アメリカはセカンドユニットの4分間を16-4と圧倒して、第1クォーターで26-14のリードを作り出した。

その後もアメリカのペースで試合は進む。第3クォーター序盤、相手のリスタートのパスに手を引っ掛けるデイビスのスティールから、ステフィン・カリーが冷静に上げたロブをテイタムがアリウープで叩き込んで57-36とリードを最大21点まで広げる。そこから10点差まで詰められたものの、デリック・ホワイトの3ポイントシュート、エドワーズの連続得点、ホワイトとアデバヨのピック&ロールからのアリウープと素晴らしい攻めの連発で73-57と再び突き放して第4クォーターへ。

南スーダンはスター選手が揃うアメリカにも気持ちで負けず、劣勢になってもハードワークを貫いて食い下がるが、アメリカは最もプレータイムの長い選手でもデビン・ブッカーの22分とタイムシェアを徹底。南スーダンのカーリック・ジョーンズは10日前の強化試合でトリプル・ダブルの活躍を見せたが、この日は徹底的にマークされた上、38分とほぼフル出場。常にフレッシュな選手にマークされて、持ち味を発揮しきれなかった。欠場したジョエル・エンビードを除く11人がそれぞれの個性を発揮したアメリカがセーフティリードを保ち続け、103-86で勝利している。

アデバヨが18得点7リバウンド、デュラントが14得点、エドワーズが13得点、ホワイトが10得点。ベンチメンバーの得点は南スーダンの14に対しアメリカが66と圧倒しており、セカンドユニットの活躍はスタッツにも表れた。これでアメリカは2連勝。プエルトリコとのグループ最終戦を前に、ベスト8進出を確定させた。