様々なケースで得点を取りに行く共通理解を深める
2月24日から27日の4日間、味の素ナショナルトレーニングセンターでU-19男子日本代表の第5次合宿が行われた。
15人でスタートした合宿は、発熱やケガなどで最終日には10人になってしまうというアクシデントがあったが、参加選手たちは精力的に汗を流した。
テニスボールやバスケットボールを3個使うなどのドリブルドリルをこなした際は、選手たちは笑顔を交え、リラックスした雰囲気の中でハンドリング強化に努めた。
それでも2対2、3対3とハーフコートバスケットの細かい動きの確認に入ると、空気は次第に引き締まってくる。その後はAチームとBチームに別れ、バックコートからオフェンスを開始し14秒以内にシュートまで持ち込むトレーニング、そしてオールコートでのゾーンディフェンスの動きを確認した。
最後は試合形式のスクリメージ。ゲーム中にタイムアウトを取るなど自分たちでハドルを組み、選手たちで話し合うなど実戦さながらの練習で合宿を終えた。
U-19日本代表を率いるトーステン・ロイブルは、今回の合宿のコンセプトを『勝負どころのマネジメント』と説明する。「もっと早く得点を取らないといけない時やディレイゲームをしなければいけない場面、残り時間が少ない時、どのように2点、3点を取りにいくのかという共通理解を深めました」
「アジア選手権ではハーフコートのプレッシャーディフェンスができたので、それをフルコートに伸ばすことをやっています。今回は時間をかけてやりましたが、うまくできた」とさらなる成長に手応えを感じている。
世界の高い壁「非常に厳しい組み合わせ」
7月に行われるU-19ワールドカップはグループリーグの組み合わせ抽選が終わり、日本はカナダ、スペイン、マリと同じグループとなった。
ロイブルは「非常に厳しい組み合わせ」と語る。「カナダは歴代の中でも一番良いチームと言われていて、決勝に残る候補の一つと言われています。スペインも言わずと知れた強豪国です。マリはすごく背が高く、運動能力が高いが技術的には日本に分があると思うので、一番勝つチャンスがあるのはそこだと思います」
ワールドカップは大差で勝てるような簡単な試合はほぼない。それだけに「タイトなゲームに持ち込み、勝負どころでうまくマネジメントして、最高のパフォーマンスで少ないチャンスをいかにモノにできるかが勝負となる」と世界での勝ち方を論じた。
今後の合宿にはアメリカの大学に籍を置く選手を招集する予定だという。そこでまた違ったスパイスがチームに加わり代表生き残りレースも激化していくことになる。チーム内で切磋琢磨しチーム力の底上げに期待したい。