ルカ・ドンチッチ

チャンスを決め続けたドリュー・ホリデーが26得点

NBAファイナルの第2戦、第1戦に続いてセルティックスが攻守にレベルの高いパフォーマンスを48分間続け、105-98の勝利を収めた。

先手を取ったのはマブスだった。セルティックスのディフェンスは、他のどのチームもダブルチームを仕掛けるルカ・ドンチッチにマンツーマンで対応し、ドンチッチの得点よりもアシストを警戒する。第1戦でも功を奏したこのディフェンスに対し、ドンチッチは立ち上がりから個人で積極的に仕掛け、ターンアラウンドミドルジャンパーなど難しいシュートを次々に決めていった。

このドンチッチの攻めを止められないセルティックスは、オフェンスでも3ポイントシュートが試合を通じて39本中成功わずか10本と確率が上がらず、本来の爆発力が発揮できない。それでも落ち着きを失わず全員がディフェンスとリバウンドでエネルギーを出し、ドンチッチは止められなくても他の選手は止めることで主導権を渡さず、第1クォーターを25-28と3点ビハインドでしのぎ、第2クォーターに逆転する。

ドンチッチの個人技でゴリ押しするマブスに対し、セルティックスはあくまでバランスアタックにこだわった。第1戦で大活躍したクリスタプス・ポルジンギスもこの試合では無理に攻めず、誰かが個人技でわずかなズレを作れば、エクストラパスでそれを広げてイージーシュートのチャンスまで持っていく。この試合でそのフィニッシャーとなったのはドリュー・ホリデーだった。

本来はスコアラーではないホリデーだが、この試合ではチームオフェンスに絡みつつ、タイミング良くゴール下へと飛び込んでイージーなチャンスを確実に沈めていく。前半でフィールドゴール9本中7本成功の17得点。ドンチッチの個人技は決まる時間帯と決まらない時間帯の波があるが、ホリデーを中心とするセルティックスの得点はコンスタントに伸び続けた。

第3クォーターに入るとドンチッチの得点の勢いがストップ。カイリー・アービングはもちろん、PJ・ワシントンとデリック・ジョーンズJr.が好プレーで得点を繋ぐものの、肝心のドンチッチが右膝の捻挫と左足首の痛み、さらに第1戦で負った胸の打撲と万全ではない中で試合序盤からフル回転して消耗が激しい上に、プレーが周囲と噛み合わないことでストレスを溜め、指揮官ジェイソン・キッドは彼を何度もベンチに下げて心身両面で一息入れさせなければならなかった。

第4クォーター残り4分からホリデーとデリック・ホワイトの連続3ポイントシュート成功でセルティックスが103-89と突き放す。ここからマブスも粘りを見せ、残り1分のドンチッチのバスケット・カウントで5点差まで詰め寄ったが、続くPJ・ワシントンの速攻からのダンクをハリーバックしたホワイトがブロックショットで阻止。ここからの攻めでジェイレン・ブラウンがマキシ・クレーバーとドンチッチをかわす得点で勝負を決めた。

ドンチッチは42分出場で32得点11リバウンド11アシスト4スティールと素晴らしいスタッツを残したものの、ターンオーバー8を記録し、得点は第1クォーターの13から、10、6、4とクォーターを重ねるにつれて失速した。セルティックスの盤石の安定感がドンチッチの猛攻をも寄せ付けない、そんな試合展開だった。

これでNBAファイナルはセルティックスがホームで2連勝。ダラスへと舞台を移し、第3戦と第4戦が行われる。